遅咲きのひまわりが咲く

思い出すのは、太陽のような君のこと





=== あなただけをみつめる ===





「おう恭弥!委員会は終わったのか?」

「終わったといえば終わりだよ、了平こそ部活、終わったの?」


並盛中学校

まだ蝉の泣き止まぬ、残暑

そろそろ学校も始まろうというのにいつまでも夏は終わりそうにない

鬱陶しいほどの日差しに眩暈を覚えることもしばしばある

そんな中、自主的に汗を流す人間はいる

部活で青春の汗を流そう、などという謳い文句はセオリーだ


「君もホント、厭きないよね」

「強くなることは楽しいだろう?」

「まぁ、それには同感だけど」


だからってこんなに毎日トレーニングをする必要はないだろう

実際、了平よりも強い恭弥は日々ディスクワークに励んでいる

もちろん、人間相手に武器を振るうこともあるのだが


「……」

「む?どうしたのだ、それは」

「あぁ、これかい?見回りの途中で咲いてるのを見つけてね…」


そういって恭弥の手に握られてるのは一本のひまわり

ここまでの道のりで誰にも遭遇しなかったのはやはり、この暑さのおかげだろう


「はい」

「俺にか?」

「そ、確か今日は了平の誕生日か何かじゃなかったっけ?」

「おぉ!そういえば…」


自分の誕生日くらい覚えていても良いだろうに

きっと京子あたりが“ラ・ナミモリーヌ”でケーキでも買っているだろう

健気な妹だなと思う


「僕もこれを見るまで忘れてたけどね」

「む?なぜだ?」


なぜ、ひまわりをみて思い出したのか、と聞きたいのだろう

主語が足りないのはいつものことだ

恭弥は一度それを見るとふっと笑う


「なんか、了平って太陽みたいだと思わない?」

「うむ、俺は晴の守護者だからな!」

「まぁ、それもあるけど」


やはり、その性格もだろう

いつも明るくて、すべてを照らしているような…

あぁそうしたら…


「これは、僕かな」

「恭弥?」

「太陽を追って、華を咲かせる…太陽に憧れて、太陽のようになりたいと大きな花を咲かせるんだ」


そうして、太陽だけを、みつめている

まるでそれは…


「クス…こういうのもたまには良いかもね」

「なんの話だ?」

「君が気にするほどのことじゃないよ」


そういって踵を返す

すでに帰り支度を済ませていた了平は慌ててその後を追った


「待て!!気になるではないか!!」

「だから気にしないで良いって言ってるでしょ、ほら帰るよ」

「おい!!なんなのだまったく…」


ただ、あなただけを見つめて…

あなたのとなりで


ずっと、いられたらって…思う

fin___







→→あとがき←←


某チョコ菓子“小○”の袋見てたら思いつきました(爆
ひまわりの花言葉は「あなただけをみつめる」だそうですね
なんか思いついた
ら、誕生日の話になった
遅くなったけど誕生日おめでとう了平!
これを壱周年&弐万打御礼におくのもどうだろう…;;
あ、なんか泣きたくなってきたな、グスン
まだまだがんばります

2007.9.8.
 倉紗 仁望