「明日までなんて、無理だよーーー!!!」






=== お疲れ様 ===






「お、わ…ったぁ…」

「はは、やればできるもんなのな!」

「10代目!お疲れ様ですっ」

「うん、みんなもお疲れ様、ありがとう」


深夜 並盛中

退学騒動が起きて、根津銅八郎の支持によってタイムカプセルを掘り起こしていた綱吉達

無事にカプセルは見つかって校長のもとへとわたった

そして根津は学歴詐欺により学校を辞めさせられた

安心したのも束の間

今度は滅茶苦茶にした校庭を元通りに直さなければならないという大掛かりにも程がある試練が待ち構えていた

しかも、相手はあの風紀委員長・雲雀恭弥

それこそ死ぬ気で直さなければならない


「恭弥さんも滅茶苦茶いうよなぁ…」


ぽつりと呟いて倉庫にスコップやら鶴嘴やらを返しに行く

すでに時刻は4:00をまわっていた

早朝と呼ぶにふさわしく、紫色の空が淡く輝く


「今日が日曜でよかったー…」

「帰ったら爆睡だな」

「京子ちゃんたち帰しておいて良かったよ、ホントに…」


夜も遅くなったころに京子とハルとチビ達を帰らせなければならないと綱吉が了平にお願いして送って行ってもらったのだ

だから今ここにいるのは綱吉と隼人、そして山本の3人だ

リボーンは京子達とともに帰路についていた


「まったくあいつ…全部人に押し付けやがって…」

「でも楽しかったのな」

「そ、そう…?」

「お前と10代目を一緒にすんなこの野球馬鹿!!」

「なんだ獄寺、楽しくなかったのか?」

「っは、10代目のお傍にいられれば俺はいつも楽しいけどな、ね!10代目!」

「え?!あ……うん、そうだね」


――確かに、二人がいてくれなかったら俺退学させられてたかもしれないし…

まぁ、原因はこの二人なんだけど…


「今日は、二人とも、本当にありがとう」

「10代目のお役に立ててこの獄寺隼人、幸せです!!」

「ははっいつでも力になるって、仲間だろ?」


本当にいつも一緒にいてくれる二人がいてよかったとおもう

しかしその反面、一番頼りにしているのが二人ではないという事実に胸が痛んだ


「んじゃ、そろそろ帰ろうぜ、ツナ」

「10代目!お送りします!」

「あ、うん…でも俺…応接室に…」


帰る姿は見ていない

いつものバイクも、駐輪場に置いてあったのをちらりと見た

きっと、待っててくれてるから…


「そっか、じゃぁ報告も頼むぜ!無事に元通りだってな」

「うん、伝えとくね」

「それじゃぁ10代目、お先に失礼します!!」

「うん!本当にありがと、獄寺くん、山本!」


二人に手を振りながら校舎の中へと消えた綱吉

見送って、二人はどちらからともなく息を吐いた


「ヒバリのやつ、少しは手伝えばいいものを…」

「はは、学校のことになるとさすがにヒバリも手厳しいんじゃね?」

「っは、帰る」

「お、一緒に帰ろうぜー獄寺」

「なんでお前なんかと!!」

「いいじゃねぇか!どうせ同じ方角だろ」


一方的に突っかかる隼人とそれを受け流す山本が校門を過ぎた頃


「恭弥さん…!」


応接室に、綱吉が到着した

しかし…


「…あー、やっぱり」


ソファーに横になり、腕を組んで眠っている恭弥の姿


「そう、だよな…こんな時間じゃ…」


いくら早起きの恭弥でも、こんな時間に起きるはずがない

否、人の気配がすれば起きる、かも…


「…葉の落ちる音でも起きるんじゃなかったんですかー」


少しだけふて腐れながらも、待っていてくれた恭弥が愛しくてたまらない

ソファーに腕を組んでもたれ掛かる

綺麗な寝顔に思わず見とれた


「……恭弥、さん…」


疲れているのか、うとうとし始める

瞼が重くなり、自然と意識が遠のいていった

少しすると、規則正しい寝息がつむがれはじめた


「……」


片目を開いてその様をみた恭弥は自嘲するように息を吐いた


「僕も、まだまだ甘いね」


本当ならば、待ってる時間を埋めるようにキスしたり抱きしめたりしたかった

けれど、こんな時間まで頑張って、疲れているであろう綱吉の身体

ゆっくり休んでほしいというのが心情だった


「…ま、起きてから寝てる間の分もきっちり堪能させてもらおうか」


楽しそうに笑って、綱吉を抱き上げるとソファーに寝かせる

自分は風紀の仕事を始めて、綱吉が起きるのを待つつもりだろう


「お疲れ様、綱吉」


幸せそうに眠りながら、いったいどんな夢を見ているのだろうか

そんなことを思いながら仕事に取り掛かる

次に綱吉が目を覚ましたのは正午も回り、あたりが夕暮れ色に染まり始めた頃だったという


「ご、ごめんなさい!!」


綱吉の悲鳴が誰もいない校舎に響き渡った





fin?

≫あとがけ≫

なんだろうこれ←
標的72見てたらなんか、ほら、あのヒバツナ感!!
3月1日放送だったやつですよ。
なんかもうホントにヒバリさん綱吉がすることには寛大だよな!みたいな

とりあえず…
久しぶりに更新orz
すみませぬ、、、

2008.4.7.
  倉紗 仁望