「おはよぉー」

「あ、ツナくんおはよ」

「京子ちゃん、おはよー」


教室に入るとまず最初に返事を返してくれたのは笹川京子

女の子では一番好きな子だ


「おはようございます!10代目!!」

「あ、獄寺くんおはよぅ」


後ろからあいさつをしてきた隼人を振り返って挨拶を返す

まだ、武は来ていないようだとわかると少しほっとしている自分が居ることに気付いた

それじゃぁダメだと思い返して綱吉は後ろの席の隼人に聞く


「あ、獄寺くん…山本は?」

「…多分まだ朝錬じゃないっすか?」

「そ、か…」

「…10代目、無理しないでくださいね」

「うん、ありがと」


ぎこちない笑みを返す

それが痛々しくて隼人は心配そうな表情になった


「おっす、ダメツナ」

「―――…っ」


クラスメイトがぽんっと肩を叩いて声をかけてきた

しかし綱吉の反応に首をかしげた


「どーしたんだ?顔色悪いぞ」

「10代目…?」

「あ…の、お、おはよ…」

「?」


青ざめた表情で返事をする

クラスメイトは首をかしげたまま自分の席に行ってしまった

カタカタと震えている綱吉を見て、隼人はまさかと思う


「10代目…まさか昨日のあれから男性恐怖症になったんじゃ…」

「ま、まっさかーだって恭弥さん大丈夫だったし、獄寺くんも平気だったし」

「それは危害を加えないとかわっているからでは…」

「―――…っ」


信じられないとでも言いたそうに綱吉は瞠目する

それでも手の震えは治まらなくて、そうれが事実であると言っていた




「そ、んなのって…」

「おっす山本」

「うす、おはよーなー」


教室の入り口で男子生徒の声とともに武の声も聞こえてきた

瞬間、綱吉の身体がビクンっと大きく反応した

身体全体がカタカタと震える


「おはよ、ツナ…昨日は、悪かった」

「や、まもと…」


悲しそうな表情で謝罪してくる武に震える身体を抑えながら声をかける

声も、震えていた


「許してくれとはいわない、それだけのことをしたってことも解ってる…
だけど、これからも友達でいてくれな」

「ぁ……」


そうだ、武は初めてできた普通の友達

隼人もそうだがマフィアとかそういうの関係ない友達は武が初めてだった

それを思い出す


「…俺こそ、ごめん」

「ツナ…?」

「ちゃんと俺が返事してたら、こんなことにならなかったし…」

「……ツナってホントえらいのなー」

「え…」

「俺さ、ツナに謝ることしか考えてなくて…」

「…山本」


武も武なりに考えたのだろう

目の下に隈がある

朝錬で朝早いのに考え事をしていて眠れなかったのだ

それを思うと、なんだか嬉しくて泣けた


「ツナ?」

「あ、はは…なんで泣くんだろね…俺」


悲しいとか悔しいとかそういう感情は全然ないのに

それでも、涙は止まらない

でも、いつの間にか震えは止まっていてもう大丈夫だということを表していた

朝のざわついた教室でそれに気付いているのはそこにいる3人だけ


「ごめん、山本……俺には恭弥さんがいる、から…だから…」

「うんうん…解ってるから、大丈夫だから、泣くなよ」

「…、」


涙はその後HRは始まっても止まる事はなかった

幸い気付くものはいなかったが隼人と武は顔を見合わせて苦笑していた

なんで泣いてるかなんて、解ってる

また元通りになれることが嬉しいのだ

ただ、それだけ

昨日一日のうちにいろいろなことがあったけれど

またいつもと同じ日常が始まる


隼人の行動に焦ってとめたり


武のマイペースなところに呆れたり


恭弥とご飯を食べて、手を繋いで下校したり


綱吉を、全力で守る―――…


今度はお互いの気持ちを大切にしながら

いつまでも この関係が続けばいいと、願いながら…






 


あとがき

は、ハッピーエンド…?
なんかもうまとまりのない文章でした
山本の綱吉への気持ちの暴走とかごきゅの恭弥への気持ちの葛藤とか
果てはそれに気付いていながら何もしなかった雲雀さんの思いとか
綱吉の全てを知ったあとのこれからとか
なんかドロドロシリアスな甘いのが好きです←
こんなん壱万打御礼にして良いのだろうか
兎にも角にも壱万打ありがとうございました!!