「ぅ…ん?」


朝、窓から差す日の光で目を覚ます

久し振りにこんなに清々しく起きれたと思う

伸びをしようと腕を動かそうとした

しかし、何故か身体は動かない

クリアになった視界に飛び込んできたのは恭弥の綺麗な寝顔


「……―――っ?!!!!」


今、綱吉は恭弥に抱きかかえられるようにして眠っていた

しかも、腕枕というなんとも男同士でするようなことではないことを…


(落ち着け、落ち着くんだ俺!そうだ、昨日ヒバリさん、家に泊まっていったんだ!!)


なんとか記憶を手繰って昨日のことを思い出す

そして何故か布団をクリーニングに出してしまったとかいう奈々の言葉に一緒に寝れば平気だよ、と

なんとも驚きな発言をした恭弥と一緒に寝ることになったのだ


「……綺麗だな」


いつも、思う

初めて逢ったときもそうだ

桜の下で血に濡れた恭弥の姿に心を奪われていた


「……恭弥、さん」

「なに?」

「―――…っ?!」



  


思わず名前を呼ぶと返事が返ってきた

それに驚いて綱吉は目を見開く


「お、起きてたんですか?!」

「うん、沢田が起きる少し前に」

「な…たぬき…」

「ごめんね」

「〜〜〜〜〜…っ///」


顔を真っ赤にして恭弥の胸板に顔を埋める

それが可愛いなんて思って苦笑する


「……ずるいですよ」

「ごめん」

「………あのヒバリ、さん」

「?」

「こんなこというの…あれなんですけれど…俺、ヒバリさんのこと好き……です」

「―――…」


突然の告白に恭弥は目を見開く

綱吉が顔を真っ赤にして恭弥を見る


「お、男同士で何言ってるんだとか、気持ち悪いとか思うかもしれないんですけど…っ
俺…ヒバリさんのことが―――」


瞬間、抱きしめられた

否、もともと抱きしめられる形で横になっていたので抱きしめる腕の力が強まった感じだ


「…ヒバリ…さん?」

「そんなこと、ないよ」

「え…?」


搾り出すような声

その言葉に綱吉は目を見開く


「気持ち悪くなんか、ないよ」

「―――っ」

「僕も、同じこと考えてた」

「ヒバ…」

「ね、付き合って…ずっと僕のそばに居てくれる…?」

「…っはい、もちろんです」


目尻に涙を溜めて返事をする

信じられなくて、でも嬉しくて…

夢じゃなければ良いなんて思ってしまう


「好きだよ…綱吉」

「―――…俺も、大好きです恭弥さん」


出逢ってまだ日は浅いが…

それでもお互い惹かれあって己の気持ちに気付いた

自分達の関係に名前をつけるとしたらそれはきっと恋人同士


「あぁ、奈々さんに改めて挨拶しなくちゃね」

「えぇっ?」

「大丈夫、奈々さんならわかってくれるから」

「昨日逢ったばかりなのになんでそんな…」

「綱吉もそう思ってるんでしょ?」

「……」


何も言い返せない

奈々はそういう人なのだと、息子の綱吉がそう思うのだから


「でも…」

「大丈夫」

「……はい」


この人に言われると本当に大丈夫なんだと思える










「ふ…ぁ」

「眠い?」

「まだ少し…」

「じゃぁ、もう少し」


そう言うと恭弥は優しく綱吉の頭を撫でる


「おやすみ綱吉」

「おやすみなさい恭弥さん」


呟いて、二度寝を決め込んだ二人の元に奈々が起こしに来るが

扉を開いて二人を見ると一度微笑んで静かに扉を閉じた

その後二人は正午まで起きてこなかったという




...fin


 





あとがき

ここまで読んでくださりありがとうございます
ヒバツナ大好きです

このあとにおまけおば