=== 恋人達の夕暮れ ===
もうすぐ春だというのにまだ寒いこのごろ…
暖かかったり寒かったりと忙しい気候の変化に体調不良の生徒が増えてきた
インフルエンザの季節…
身体の弱い恭弥は温かい格好をして想い人の綱吉と仲良く二人で下校中だ
冷たい風が吹いて綱吉がぶるっと震える
「寒いでしょ」
そう呟く恭弥に綱吉が慌てる
「大丈夫ですよ、これくらい」
「そうは見えないけどね」
そういうと首に巻いていたマフラーを綱吉の首に巻く
恭弥なりの気遣いだ
「え、ぁ…りがとうございます…けど、それだと恭弥さんが寒いんじゃ…」
「僕は大丈夫だよ…っくし」
「…恭弥さん?」
「大丈夫らよ」
「(ら、らよって…ちょっと)じゃぁこうしましょう」
そういって綱吉がマフラーの半分を恭弥の首に巻く
その行動に多少驚くも、綱吉の笑顔に頬を染めてしまう
「クスクス…」
「…なに」
「恭弥さん、大好きです」
「……知ってる」