「世界が明日崩壊するとしたらあなたは今日一日なにをしますか?」




=== 心理テスト ===





「…どうしたの、突然」


応接室 夕暮れ 啼く鴉

二人きり…


「最近クラスで心理テストとか流行ってるんですよ…今ふと思い出して…」


そういうと、綱吉は困ったように微笑んだ

さして面白くもなさそうに、恭弥の一言


「ふぅん…下らないね」


皮肉に笑いながら、書類に目を通していく


「やっぱり…ヒバリさんは興味ないですよね」

「そぅだね、それに明日崩壊するなんてどうしてわかるのさ…わかるならそれを防ぐ方法もわかるでしょ」

「確かに……」


解りきっていたこと

でも…訊いてみたかった

彼方は―――……


「でも…そぅだね」

「?」

「明日世界が崩壊するなら…僕は綱吉と二人きりになれるところまで」


―――逃げて見せるよ、どこまでも…


一瞬、世界が止まって見えた

言われたかった、一言

もし彼方がそういう場面に直面したら、どうするのか…


「本当…に?」

「ん?」

「本当に……いいんですか?最後の日が…俺と二人きりなんて…」


どうして、こんな言葉が出てくるんだろう

嬉しいのに…

自分も、同じ気持ちなのに…


「…綱吉は、嫌なの?」

「っそんなこと…!」

「じゃぁ…いいでしょ」

「え…」

「お互いに、同じ気持ちなら…それで、いいでしょ」


同じ気持ち

それは…とても…


「無敵、でしょ」


この人が言うと…


「―――…はい」


何故か、安心するんだ


「まったく、僕達の関係、なんだと思ってるのさ」

「すみません…」

「僕は綱吉が好き、綱吉も…僕のことが好き、それだけで無敵なんだよ」


本当だ…

なんで、こんなことに悩んでいたのだろう

こんなにも…強い、気持ち


「それじゃぁ、ずっと一緒に居ても良いですよね」


答えなんか、わかってる

今は…そう、思える

そう、答えは…


「もちろん」


それはとても、無敵