ばばーん!音に表すとしたらこういう感じだと思う。目の前には凄く雰囲気のあるお屋敷。なんだか圧倒されてしまった。…あれ、
「雲雀くん、お坊ちゃま?」
「その言い方ムカつくから止めて」
「否定しないのですか」
「親は腐るほど金持ってるけどね。僕には関係ないよ」
へー。雲雀くんの御両親か…どんな人なんだろー…「ちなみにあの人たちはなかなか帰ってこないから」まじですか。雲雀くん…いきなり私の夢壊しましたね。雲雀くんの親に会ってどっちに似てるのかなとか、トンファーは誕生日プレゼントですかとかどうしたらこんな美少年生まれてくるのですかとか聞きたかったのですが。
「何それ。聞かなくていいよ」
「じゃあ、どうしたらこんな美少年生まれてくるのですか」
「僕にそれ聞くんだね。知るわけないでしょ」
「雲雀くん雲雀くん」
「なに」
「家、広すぎませんか。玄関から部屋まで長くないですか」
「あぁ、ここはあの人たち専用だから。僕のは向こう」
ぴっと指を辿れば、離れみたいな少し小さめのお屋敷が一棟あった。わー…中学生で家持ちって……どんだけ金持ちなんだ!
「好きなように使ってくれていいから」
「え、何を?」
「全部。必需品は草壁に用意させてあるしもう家にはずだよ…ほら」
袋の中を覗くと女子にとって必要不可欠なものばかり…わー。顔も知らないくさかべさん、感謝します。雲雀くんに女子の知り合いがいるなんて驚きだが。
「草壁は男だから」
………なんと!