第二話

「なに………何でしょう」
「は?」

何かと聞かれたらはっきりと答えられない。だって、まあ、仮に急にぱっぱっと移動することをワープとすると、漫画でしかないそれを私はしてしまったのだ。…そうとしか考えられない。私は宇宙人だったのか?いやいやいや、お母さんはちゃんと二足歩行だし、大丈夫。だよ。ね?

「まあ、私にも全くと言っていいほど理解出来ていないですから」
「どういう意味?」
「……信じられないですけど、とりあえず私の話を聞いてくれますか?」
「……話しなよ」










とにかく話した。包み隠さす全て。うんともすんとも言わずにただただ沈黙したまま。…どうせ有り得ない。とか言われて警察に連れて行かれるんだろうな。あぁ、宇宙人捕まる!なんてニュースになるのかも。

「うん、納得だね」
「やっぱ…り!?」
「り?」
「いや、え、あなたも宇宙人ですか?」
「…君、頭大丈夫?」

なんと失礼な!いきなり殴ったり人の鞄探る人よりかはマシだよ…たぶん!というより納得だって言った?

「君さ、急に現れたんだよ」
「…現れた?」

彼が言うにはこうらしい。

彼は1人で屋上にいて、いつも通り過ごしていた。ふっと視線をずらせば私がそこに現れたらしい。音もなく気配すらなく。彼は気配っていうのに敏感らしく気付かないことはあまり無いらしい。そんな彼の前に現れた私。なにをするでもなくただ周りを見ていた私に確認のため近いて、それで強いのかと疑問に思い殴ったらしい。殴る理由が理解出来ない。


「私、どうしましょう…ワープしたとして“存在”しないなんて…」
「考えにくいけど、ワープっていうよりまるで世界が違う」
「そんなこと、」

ない。とは言えなかった。たぶん私も何処か頭の片隅では思っていた。そんな非現実なことが起こるなんて信じられないが実際に我が身に起こったのだから仕方ない。


「君さ、事務処理できる?」
「まあ、たぶん。一応マネージャーでしたし…」
「ふぅん…なら、手伝って」
「何をですか?」
「書類整理」
「…はい?」


なんで彼はこうも突拍子もないことばかり言うのだろうか。

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