標的2
(…私何かしたのかなー?)
噂の転校生――獄寺隼人に呼び出されたのが数分前。それからぐるぐると私の周りを回り続けてさらに睨みつけられている。眉間のしわがすごいのなー。何かしたのかと考えてみるが思い当たる節はなかった。この状況にさすがの山本優月も耐えられなかった。
「あのさ…」 「あ゛!?」 「せっかくのイケメンが台無しだよー」 「は!?なっ、意味わかんねーこと言ってんじゃねーよ!」
ボボッと顔が赤くなる獄寺…風邪か?眉間にずーっとしわ寄せてさ、せっかく綺麗な顔してるのになーと思ったから言ったまで。
「優月!」 「な!10代目!?」 「あ、ツナ…って後ろの子供って弟?」 「は!?って、リボーン!」
ツナの後ろについてきたのは黒いスーツを着た子供。ピョーンと飛んできたので抱きしめる。
「わ!」 「んなっ!?」 「チャオっす、山本優月」 「ちゃ、チャオっす…?」 「お前、ボンゴレファミリーに入らねぇか?」 「「んなーっ!?」」 「ボンゴレファミリー?」
聞いたことない名前なー。んー、この子供の遊びかなー?
「ちなみにツナがボスだぞ」 「へー!そりゃグッドな人選!よし、私も入ろうかなー」 「えええ!?」 「チッ」
ツナがボスなら入らなきゃダメだなー。部活があるから遊べる日が限られてくるけど。
「うわっ!とっ!すごいなー最近の、っと、子供の遊びは、うわっ!リアルだ、!」 「えっ、うわ!ひぃい!え、あ、あそびー!?」
先ほどリボーンから入団テストと銘打って次々と飛んでくるナイフを避ける。リアル感が凄すぎ!楽しいなー! 銃弾が飛んできてびっくりしたけど、獄寺の花火にもびっくりした。獄寺って花火を常備してるなんてすごい。
「ちね!リボーン!」 「げっ」 「うそっ」
次の瞬間飛んできたのは数々の銃弾やナイフや手榴弾。…これはヤバくない?ヒヤリと冷や汗がつたう。
「…!ツナっ!」
―――ドガガガァアアン
「〜っ!いったー!大丈夫、ツナ?」 「う、うん…優月が引っ張ってくれなかったら俺、」 「ふぅ〜、今のは危なかったー!」
ツナと2人して地面に座り込んだまま脱力した。この際スカートが汚れるとか無視だ。すると「合格だぞ」という子供の声。やったーと喜んだと同時にグッと腕を掴まれ立たされた。私を立たせてくれたのは獄寺だった。
「わ!」 「てめぇ…よくやった。10代目を守ったことは褒めてやる。右腕はこの俺だが、てめぇは肩甲骨にしてやるよ」 「アハハ!肩甲骨って…獄寺面白いなー!ま、右腕は私だけどっ!」 「なっ!てめ、調子のってんじゃねぇよ!肩甲骨でも有り難いと思いやがれ!」 「獄寺の方が肩甲骨っぽいなー」 「てめぇっ果たすっ…!」 「アハハ、花火は遠慮しとくよ。じゃ、部活行ってくるー!」 「とっとと消えやがれテニス馬鹿!!」
入ファミリー試験 ……どうしよう、リボーン。なんかこの2人息ぴったりじゃないか? ――いいコンビになるぞ
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