僕は言葉がでなかった。 誰がいつも笑ってる濱川から想像出来ただろうか。 小学生が背負うのには重すぎる。それなのに彼女は笑顔で笑い続けてきた。 「だから、辛いとか悔しいとか分かるの…まぁ私の勘違いならごめんね」 「そんなの…」 (濱川の方が辛い―) と言いかけて止める。きっと、そんな風に捉えてほしくないだろうから。彼女はもう乗り越えたのだから 「悔しいなら強くなればいいんだよ」 「え…、」 にっこり笑った彼女はあまりにも簡単な答えをだした。 でも、1番しっくりくる答えだった。 (そっか…そうだよな) 「池沢くんだって出来るよ!!」 「…佳主馬でいい」 「………うん!!私もさえでいいよ!!」 目の前の彼女は僕なんかより辛い過去があって、それでもにこにこと笑い続ける。そんなさえを見てて胸が締めつけられる。 「さえ…僕は強くなるから」 「……うん」 「だから、見ててね」 弱音を吐けない君を、他人のことばかり優先する君を守りたい ―――――そう思うから。 |