私が物心ついたときから、お父さんがお母さんに暴力をふるっていた。何がなんだかわからなくて、でも幼いながらも私はお母さんのそばにできるだけいようとした。
小学校に上がるときには、私にも手をあげるようになった。





「お前なんか…!!!!」


(いた…い痛いいたい痛い痛い)


「やめ、やめてよあなたぁぁ!!!!」

「うるせえっ!!!!!」


ガンッとお母さんが壁に叩きつけられた。


(おかあ、さん…)





殴られるしかなくて、叩きつけられるお母さんを見てることしかできなくて…痛い悲しい辛い―――――悔しい。


お父さんが去った後お母さんは必ず私のとこに来て謝りながら抱きしめてくれた。



(この人を守りたい、守らなきゃ…)



いつの間にか私は強くなることばかり考えてた。そんな頃だった。お父さんが私を刺したのわ。












小学2年の春、段々とエスカレートしていく暴力に耐えられなくなって初めて反抗した。それが気に入らなかったのかお父さんはついに包丁を持ってきて―――――――刺した。

(あ、れ……?何これ…?)

お母さんの悲鳴を聞きながら意識を手放した。










目を開けると病院でお母さんがそばで手を握りながら私を見ていた。


「おか、さん…?」

「さえっ!ごめんごめんねっ!!」

「よか、た…お母さんは、無事だった、だね…」

「…馬鹿!!」


お母さんと2人大声で泣いた。傷は幸いにも深くなくて、3日後 退院してお母さんに連れられてあるおばあちゃんの家に行った。
そこで、いろいろとお世話になってそれから名古屋に来た。その頃から剣道を始めたの。

ちょっとでも私のお母さんを…――――大切な人を守れるように























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