じりじりと太陽が照らす中私はいつものように小学校の体育館で練習していた。 「よし。休憩ー」 主将のその声をきいた瞬間みんな座り込む。 (あっつー…顔洗いにいこ) 竹刀を腰にさしたまま水道場にむかった。 「――な――く―うざ――!!」 水道場辺りから聞こえてくる何人かの男子の声に眉をよせた。 (言い争ってる…?) まるで喧嘩をしているような感じがして不安になりながらも近付いてみると (え…池沢くん、と………) 池沢くんが何人かの男子に囲まれて壁に抑えつけられていた。それはどこからどう見ても(い、じめ?) 気付いた時には池沢くんを庇うようにして前に立っていた。 「なっ!?濱川!?」 私が現れたことか庇ったことかどちらか…いやたぶん両方に驚いて目の前の男子はうろたえていた。じっと睨んでいると彼らは気に入らなかったのか口々に文句を言い始めた。 「おい、女が出て来る場面じゃねーよ」 「帰れ帰れー!!」 「…なに、してたの?」 ちらり、と後ろの池沢くんを盗み見てみると俯いたままだった。馬鹿にする言い方にとてつもなく腹が立ったが理由くらい聞こうと思って、手をつよく握りしめた。 「なにってムカつくからちょっと、な!」 「そんなこと――」 「いいからどけよ!そいつはいじめられて当然なんだよ!!」 (―――っ!) 何かが切れる音がした。 (ふざけんな、ふざけんな――) 「――っざけんな!」 「はぁっ!?意味わかんねーよ!!」 「こいつもやっちまえっ!!」 わぁぁと迫ってくる男子たちを睨み腰にさしてある竹刀を抜いた。 (覚悟しろ…!!) パパハァン――― 一瞬で地面に伏せた男子たちは立ち上がり泣きながら逃げていった。 |