「アメリカへ行くの…………?」

彼は私の隣りにすわって真剣な顔をして聞いてくる。


「う、うん…」

「なんで…?」

「えっと…」


全て佳主馬に話した。聞いた後そう、と言ったきり俯いたままで表情がわからない。

(どうしたの…?)


「か、ずま…?」

「僕も話すよ。OZでの僕のこと。聞いてくれる?」

「うん…」










佳主馬から聞いた話にはとても驚かされた。まさか佳主馬が…キングカズマだったなんて………でも


「やっぱり佳主馬は強くなってたね」

「え?」


何が…?と言いたげな彼を見てなんでもない、と少し笑う。


「で、アメリカはいついくの?」

「それが…1週間後なんだ…」

「な!?急すぎだよ!!」

「依頼主が早めにって…」


ちらりと横をみるといつになく真剣な顔をしていた。


「さえわ…行きたいんだよね?」

「…うん」

「寂しくない?」

「…………………うん」



佳主馬の目を見れない。寂しくないなんて嘘だけど言えないから。



「僕は寂しいよ…?」

「え…?」


(佳主馬が…?)


「寂しくないわけないよ、僕たちずっと一緒にいたから」

「かず、」


ぎゅっと佳主馬に抱き寄せられる。


「そうでしょ?泣きたいなら泣いけばいい。寂しいなら寂しいって言っていいんだよ、さえ」


佳主馬が真剣な顔していうから、寂しいって泣いてもいいって言うから…ぎゅっと抱きしめてめてくれるから……
人前で流したことがない涙が頬をつたった。



「うっ…さ、さみしいっ、しおか、さんとっ離れ、さみしっ…!」

「……うん」

「かっず、まと…離れたく、ないっ!!一緒、にっいた、いよ!!」

「………うんっ」

「か、ずまっかず、まかずま…っ!!!!」


「…っ!!…ねぇさえ?」


佳主馬は軽く離れて、彼の手を頬に添えられて上を向かされる。


「か、ずま?」



「好きだよ、さえ」


(―――っ!)

彼の目にうっすらと涙が浮かんでいて、でも柔らかく微笑んでいた。
私の心臓はこれ以上ないくらいに音を速めていて、顔が真っ赤なのが分かる。
(わたし、)


「わたしも、好きっ!」

「うん」

「佳主馬が大好きなのっ!!」

「うん、僕も大好きだよ」


ふわりとまた包み込んでくれる佳主馬に嬉し涙が止まらない。

(大好きだよ――――)



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