8 | ナノ


星たちは何も慰めてくれない
もう可愛くない関係
記憶に侵されつつある日々
つめたい足先咥えてあげる
薄暗いこの部屋で二人と共にある時間
溶けない砂糖を噛みしめる
馬鹿な僕を三日月が笑うのが怖いよ
心のプラグ繋いでください
掴めなかったその手に何度もうなされる
見えない魚がこの部屋を泳いでいる

深夜1時眠らない寝息
まだ名前のつかない痛み
記憶に残らない日々のレーゾンデートル
あなたが喋ってくれたら水槽を眺めずにすむのに
君の祈りを呪うしかない
死ぬのは諦めて食事にしよう
あの日の咀嚼
踏みつけた生クリーム
ごめんねも言えないような間柄
いつの間にか死んだようになっていただけなんだ

泳げない私のかわりに人魚を捕まえてよ
冷えたミルクに浸かる心地
もう疲れたし花は枯れた
おいしい鬱憤
ピンクのくまさん燃やした
媚薬の体内動態
ふたりの吐瀉物
不埒なぬいぐるみ
シロップ漬けのチェリー潰して
ケーキのせいで歯が砕けた

お腹の中の優しさの記憶があたたかい
傷つくたび飲み込んだ小石が痛いよ
リボンで磔刑にしないで
拾った星屑と抜けた歯
ゆりかごで眠ってゆく魂
夢が覚めないまま現実を抜けないまま
周りを包むぬめりと現在
凍結した水晶体のアイスバーン
人形になる前にたくさん笑っておいてね
つめたいだけで苦しくないの

その夜わたしは一人ぼっちを選んで死んだ
涙もすくって食べられない
こわい目を交換してよ
おりこうさんに友達をあげて
冷蔵庫になぜスープがあるの
みんな忘れてしまって飲み込めない
ファンシー・デリリウム
ギンガムチェック食べるの
おくすりをあげるからね
にげだした彗星

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