「ポイントは相手の女の子が『これなら良いや』と思えるレベルを高めていくことよ。」



なまえが割り箸を突き出しながら的確なアドバイスをすると

3人の頭がこくりと縦に動いた。

予行練習をしたいと弱気なことを言い出した大吾の為に、コンビニで渡された箸を2膳用意して

そこらへんにあったペンで数字と、王様のKを記入した。

なぜ麗らかな休日の午後に、自室で、男友達と王様ゲームをしなければならないのか。

そしてなぜ合コン必勝法まで伝授しなければならないのかは、深く考えないことにした。



「どれくらいが理想なんだ。」

「そうだなぁ、肩揉んでとか、あーんしてとかから始まるのが一般的じゃない。」



ふむふむ、と峯が頷いている。

本当にわかっているのか、こいつは。



「最終的にはどれくらいまで行くんだ。」

「そりゃあタイプとか、その場の雰囲気もあるけど… 口移しとか?」

「えっち!」

「すけべ!」

「変態!」



なぜか罵倒されながら、なまえはげんなりと首を傾げた。

そもそもすけべなことを目論んでいるから合コンをするわけで、

そんな男たちに責められる謂れはないはずだ。

とにかく、さっさと終わらせてさっさと帰らせてビールを呑もう。サザエさんでも観ながら。

急かすようになまえは再度割り箸を突き出した。



「王様だーれだ。」



なまえが引いた割り箸には数字の1が記入されていた。

品田の掛け声に沈黙が続き、ふと目を上げると

峯が片手を挙げていた。



「はい、とか何とか言うもんだよ。」

「盛り上がる雰囲気作りをね、しようよ。」



品田となまえが突っ込みながら、峯はまたふむふむと頷いた。

大吾はなぜかちょっと悔しがっている。



「ほら、王様。なんか命令して。」



投げやりになまえが進行すると、あぁと峯が気づいたような声をあげた。

そして少し考え込んで、おもむろに口を開いた。



「跪け、愚民どm「違う、そうじゃない。」









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