*パラレル。白蘭と骸がにょたで姉妹。シスコン。










 目を開くと淡い紫と紅のきらりとかがやくオッドアイにびくり。嗚呼、泣かせてしまったのか、と自覚するのにはそう時間は経たず溜息がもれた。「ごめんなさい。」なんて、とまっていた涙をまた流し謝る2歳年上の姉さん。僕は覚えてなんかいないけれど姉さんが云うには自身が駅のホームから突き落とした。らしい。まあこの病室や、腕とか頭、その他諸々に巻かれた包帯を見ると(実際痛いから)嘘ではないと解る。ただ嘘吐きなのは姉さんだ。僕は確信。落としたのは姉さんではないと。仕種でわかるくらいの僕のシスコン歴をナメないで欲しい。
 腕を動かすたびに痛みが走り、じっとりと汗が滲むなか手を伸ばした。あと二三ミリで姉さんの涙に届く筈だったのに病室のドアが開き反らされ、届くことはないままだらんと落下。痛い。声を上げる間もなく邪魔した主が姿を現した。雲雀恭弥。うわ最悪。

「災難だったね、白ら…
「ちょっと僕の妹にそんな口利かないでくれませんか?」
…そうだったね一応僕の妹にもなるんだから。」

 ごめん、悪かったよ。そうクスリと笑いながら耳元で囁かれる姉さんは真っ赤に頬を染めた、けれど直ぐさま腑に落ちない表情を浮かべそのまま首を横へと振るう。まさか。また更に汗が滲んだ。凝視している僕に気付いたのか、にんまりと笑みを深める雲雀。嗚呼、成る程、お人好しな姉さんのことだ。どうせ雲雀がそこに付け込み、僕を突き落とし、交際しないとこれ以上のことをするとか言って脅したとしか考えられない。それくらい雲雀の姉さんに対する執着心は凄かったから。それで妹に手出したら赦さないとか云々で今に至る、と。
 ほんと最悪。僕が姉さんを傷つける道具で雲雀が僕を駒として使っているなんて、
 そんなの、そんなの、

「ねぇ僕があんな獣に易々渡すと思ってるの? 渡すわけないじゃん。姉さんも姉さんで自分のこと大事にして。」

 反吐がでる。取り敢えず退院したら真っ先にこいつを潰しに行こうと思った。
 あと姉さんのことも忘れてもらおう。





略奪イコール果たし状







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