あまがみしたい | ナノ




あまがみしたい




聖川はキレイだ
男に使う言葉ではないのかもしれないがキレイ

イッチーもきれいだけど
洗練され過ぎていてどこか人間離れしているようにも見える

聖川は違う
生まれながらのもの
誰も触れたことのないようなキレイな白


「神宮寺、大丈夫か」
「…あぁ」
「ほら、これを飲め」


ベッドの中、身体を重ねた後、気だるい時間。
どうやら俺の意識が朦朧としている間に身体は清められたらしい。

シャワーを浴びてそのまま寝室へ戻ってきたのだろうか、
珍しく下着しか身につけていない

背中には、おそらく、いや絶対に俺のつけた爪跡
聖川の肌は白い、その白に鮮やかな赤

スッと、その跡を指先でなぞる
傷が痛いのか、ただ単にくすぐったいのか、ビクッと動く


「何するんだ」
「べつに」


スーッとそのまま、背中をなぞり、
下着から少し見える臀部、そのまま前に移動して、腹を辿る

これは俺のもの、仕事柄跡をつけることはできない
マーキングのようなもの


「いい加減にしろ」
「……」


口ではやめろ、というが
身体をなぞる手を止められることはない

ということは本気で辞めろと言うわけでないのだろう

臍あたりから上に向かい、胸のあたりで手が届かなくなる

未だダルイ身体の上半身を起こして、
首筋をたどり、顔に到達しそうになるところで腕を掴まれた


「やめろ、と言ってるだろ」
「ケチ」
「ケチとはなんだ、ケチとは」


先ほどまでまどろんでいた身体は上手く力が入らない
それでなくとも聖川の力は強い

どうしてもあの白い肌に触れたい
グッと、力を入れてみても動く気配はない


「なぜ、そうムキになるっ」
「それは、おまえだろ、触らせてくれたっていいじゃないか」
「嫌だ、と言っている」


くだらないとわかりつつも、ここまで来たら引き下がれない
お互いに変に負けず嫌いなのがいけない

別に、指で触れる必要はない
おれは、あの白い肌に…

力を入れていた手から、力を抜く
バランスを崩した聖川の身体がこちらに傾いてくる

瞬間、聖川の首に腕をまわしグッと近づく


「…つぅ」


触れることの許されなかった頬に舌を這わせ
ヤツの身体が身じろいだ瞬間に、耳に噛みついた

軽く噛んだだけでも、白い肌は僅かに赤くなる


「…気はすんだか」
「まぁね」
「全く、そんな犬みたいなことをするんでない」
「いいじゃないか、ご主人サマ」


何を想像したんだろうか、
"ご主人サマ"という単語にヤツの頬に朱が差す


「真斗は俺のもんだからね」
「おまえもな、レン」


支配するように
首筋にも跡を残さないように、軽く噛みき、噛みつかれる

俺の肌は聖川ほど跡は残らないけど

傷つけるためではない
いま、このとき、互いの触れた証を残すように



END

あまがみされたい、からなんとなく派生したあまがみしたい
頬に触ると怒るのは私の元彼です\(^q^)/←
めっちゃ肌キレイで白かったから触りたかったのに
キスはいいけど、触るのはダメらしい
自らの経験はネタにするしかない(笑)

20120807 けい



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