寒い、
つい身震いをするような寒い季節になったものだなあ…なんて冷たい手に息を吹きかける。
やっぱり羽織とか手袋とかして外に出ればよかった、と少し後悔する。
かと言ってただ買い物をしてすぐ帰るわけだから今さら取りに帰ろうなんて思えない。
黙々と歩いていると
ふわり
首にマフラーがかかる。
頭の中で「?」を浮かべながら後ろを振り向けばそこにいたのは
「銀さん…」
「なにしてんの?寒そうな格好して」
「買い物にいくつもりなんです」
彼は「ふーん」と言う。
「新八は?」
「?留守番してますよ」
「あっそ」
すると彼は私の前を歩く。
銀さんも何か用があるんですか?
そう聞けば「買い物すんだろ?付き合う」と私の方を見ずに応える。
きっと照れてるんだろう。
だって耳まで真っ赤。
クスリと笑えば彼はムッとして「なんだよ」と悪態をつく。
「いいえ、何も」
照れ屋さん、と付け足してみる。
「…うっせ、」
そういう彼はやっぱり赤面だった。
寒い、
でも
そんなあなたを見れるならこんな季節もいいかもしれない。
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