狂おしいほどに
「金ちゃん…」
「どうかしたか…?」
「愛してる」
「神…」
とん、と金ちゃんの胸板に顔を埋める
「…どうした?」
「和製ホスト、No.1の貴方にお願いよ」
「No.1は新八だよ」
「何言ってるの?結局新八より勝ってるのは貴方じゃない」
ぎゅうっ…と金ちゃんを抱き締める
「新鮮組のパトロンも貴方に惚れていて、お妙って人も…つい最近見かける月詠って人も…」
金ちゃんを上目使いで見る
少しだけ睨んで
「俺は好いてないけど?」
金ちゃんからも抱き締められる
「…そう…」
分かっているわ
もちろん私のあげた中には貴方が好いてる人なんていやしない
一番怪しい人の名は上げていないもの
綾乃…
金ちゃんとの繋がりの一番になるのは彼女だ
憎い
憎い憎い憎い…
「金ちゃん…抱いて」
「…まだ仕事…」
「私に逆らうの…?」
「…待ってて」
手のひらに置かれるのはひとつの小さな鍵
金ちゃんはそれを置いていくと店に戻った
がくっと膝が曲がり地面に座り込む
最低だ
私は何てことをしているの…
「ごめんなさい…」
振り回してごめんなさい
苦しめてごめんなさい
貴方が好きなの
大好きなの
好きでたまらないの
「ごめんね金ちゃん…」
狂おしいほどに
愛しているの
ねえ…嫌なら貴方から私を切って
なんてね
切らせるなんて出来ないから言ってるの
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