愛を語り合おうじゃないか!
「晋助様はほんと、すっごくカッコイイッスよ!」
「お妙なんかもう、めっちゃ可愛いんだからな!」
「「……はあ」」
何がどうしてこうなった
時は少し遡る
今日は銀時、妙の二人して酒屋巡りをしていた
とはいえ今回は妙はあまり飲まず、銀時が飲みまくっていた
それにより銀時は2軒目を回った頃にはすで出来上がっていた
つまり、妙はただ銀時に振り回されたのだ
銀時を放って帰ることも出来ないわけでは無かったが、仮にも弟の上司だし流石にここまで出来上がってしまっていれば見捨てるのはなかなか難しい
何度か帰るよう仕向けてみるものの銀時はそれを軽く流してしまう
そしてまたもお酒を口に運ぶのだ
カラカラ…
酒屋から新たな客が入ってくるのが分かる
「おい、もうそろそろ帰…」「これで最後ッスよ!」
きゃっきゃと可愛らしい声が店内に降り注がれる
どうやら入ってきた客は男と女の二人で、どうやら女の方が酔っているようだ
「…!?」
「ん?どーしたお妙」
銀時は妙が表情を固まらせていたのに気づき、妙の目線を辿る
目線の先を見ると銀時も一度固まって目を丸めていた
同じく相手とも目が合い、銀時と同じ行動をしていた
「た、かすぎ!?」
「おま、…銀時じゃねーか」
「よくまあノコノコと、うぃっく…来たもんだな。死ぬ覚悟ができたか?」
「…そりゃお前のほうだ」
「んだとお!?」
銀時はバンッと机を叩いて立ち上がり、高杉の胸ぐらを掴み、殴りかかろうと手を伸ばす
が、立ち上がる足はフラフラとしてとても殴ることはおろか、高杉の方へ向かうのも少々難しい
「ちょ、銀さん!」
倒れ込みそうになる銀時を妙がギリギリで支える
「!あ、悪い…」
「気を付けてください!」
「クックッ…ザマァねーな、銀時…ついでに此所で会ったんだ、殺し合いと行こうじゃねーかッ……!?」
高杉が真剣を抜こうとした瞬時、高杉目掛けて誰かが抑え込んだ
いや、抱き締めたの表現が正解だろうか
流石の高杉も何の予測もしていなかったので目を見開いて自分の腰にまとわりついてきたものを見下ろす
「晋助様ぁ!」
まとわりついていたのは高杉と一緒に来た金髪女、また子だった
また子は銀時同様、それ以上に酔っており顔が火照っている
「女連れか晋助サマよォ」
「…俺が連れられてんだがな」
高杉はそう溜息を吐く
銀時は目線を高杉からまた子へと移す
「つーか、また子ちゃん…?こんなチビのどこが良いわけ?」
「晋助様は全てにおいてカッコイイッス!自慢モンッスよ!!」
「へぇ?けど、お妙だって自慢モンだぜ!?」
そして自慢大会の始まり始まり
冒頭へ戻るのだ
そもそも恋人でもないのに自慢大会を開き出す銀時とまた子に、高杉と妙はあからさまにため息を吐く
「お前、面倒な奴に目ェつけられてんな」
「それは高杉さんもじゃないんですか?」
「…否定はしねぇ」
二人もお酒を飲みながら会話しだす
もちろん飲みすぎには注意しながらだ
どれくらいたっただろうか
流石に時間も時間なので高杉が切り上げようとまた子に声かける
「ったく…また子、飲みすぎんな」
「まだ酔ってないっス!」
「よく言うな、顔赤いぞ」
「だってまだ、この銀髪と決着がついてないっス!!」
また子は銀時を指さして高杉に説得をする
銀時の方もそうとう酔っているようで顔は赤面、しゃっくりもあげていた
それを見かねた妙は「はあ…」とため息つきながら銀時をゆする
「ん〜?なんだよ」
「帰りますよ!?」
「待て!まだコイツと競ってんだよ」
銀時、また子共に酒屋を出る気はないらしい
そして自慢話続行
流石に怒りピークに達した高杉と妙はふるふると拳を握り出した
「「いい加減にしろ!」」
愛を語り合おうじゃないか!
銀{夜はまだまだこれからだ!
また{今夜は(未来の)彼氏・彼女自慢大会ッス!
高/妙{彼氏・彼女じゃねーよ
・また→高+妙←銀
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