休日のノロケ話
※途中から会話文ばっか
というか会話文のみですっ
カラコロとコップの氷をストローを動かして転がす
今日は彼氏の姉であり、彼氏の上司の妻、ミツバ姉とお茶する予定
私は洒落た喫茶店に一人、少し早くスタンバってるのだ
そのせいで先程注文したオレンジジュースは早くも氷のみ
するとカラン、と店の扉にある鈴が来客を示している
「神楽ちゃんっ!ごめんなさい、待った?」
「ううん!私が早く来すぎてただけアル!」
ミツバ姉はニコッと微笑んで私の前に座る
「久しぶりね、神楽ちゃんと話すなんて」
「ミツバ姉の結婚式以来アルな。トッシーとも会ってないアルよ」
「私はそーちゃんと会ってないわねぇ」
これで分かるだろうが、私の現在の彼氏は沖田総悟であり、
彼の上司であり、ミツバ姉の夫は泣く子も黙る真選組副長土方十四郎
ミツバ姉とトッシーは少し前に結婚式を挙げている
私と沖田はその結婚式の後で正式に付き合い始めたわけで
「最近はそーちゃんとどうなの?」
「えっ!?…まあ、今までと変わらないアル」
ミツバ姉は飲み物をひとつ頼み、私もおかわりを頼んだ
その後に「そうなの?」と話を伺ってきた
「もともと付き合う前がすでに恋人っぽかったと言うか…」
「まあ、そこは否定しないわ…。そーちゃんは大分前から神楽ちゃんばっかり気にしてたものね」
「そ、それは私もアルよ!なのに沖田の奴が気づかないで…」
「どっちも鈍感だものね」
「それはミツバ姉もアルよ」
「え?」
「トッシーは毎回デートに誘おうとしてたのに、ミツバ姉は気づかないでその他大勢まで呼んでしまって…トッシー可哀想アルよ〜」
「!…それは…わかってたのよ、けど、なんかっ…嫌じゃなくて…緊張っていうか…」
ミツバ姉が慌てているなかで、注文した飲み物が机に置かれる
「ままっ、落ち着くアルよ」
ミツバ姉が頼んだ飲み物を差し出すと少し勢いをつけて口にした
「…でもいいアルなぁ」
「え?」
「デートに誘ってもらえて…沖田も確かに誘ってくれたりするけど喧嘩腰だし…」
「照れ隠し、だと思うわよ?十四郎さんも時々そうだったし…それでもやっぱり嬉しかったしね」
「…わ、私もお誘いは嬉しかったアル。なんだかんだ言って優しいし、我が儘言っても利いてくれるし」
「ときどきふてくされたりするけどね」
「ヤキモチ妬きアルよ、沖田もトッシーも」
「私も十四郎さんは優しいから妬くことが多いけどね…この前可愛らしい女の人をナンパか何かで助けたのよ。良いことだけど相手の女の子が目をハートにしてたのよ」
「あー、そういうのなんか妬けてくるアルよ!沖田もミツバ姉と一緒の美形だから黙って立ってるだけで逆ナンされてたし…あれは無性に腹立ったアル!」
「十四郎さんもよ。でも最近は指輪はめてるから逆ナンは少なくなったわ」
「よくトッシーが指輪をはめるようになったアルよな」
「私も驚いたのよ、仕事に邪魔だと思ったもの。でも十四郎さん、『お前との証だから絶対外さねェ』って照れながら」
「あのトッシーが…」
「…ところで神楽ちゃんのそのブレスレット、そーちゃんから?」
ミツバ姉にブレスレットを指差される
ブレスレットは銀色の輪っかにハートが一つ、キラキラと光っているシンプルなもの
「!…プレゼントされたアル。『指輪の代わりでィ、無くすなよ』って渡されたネ。沖田も同じの持ってるアル、色違い」
「色違い?」
「私のハートはピンクで沖田は青アル」
「独占欲が強いのね〜」
「えっ!?」
「よく言うじゃない。身に付けるものを恋人にプレゼントするのは独占欲の証って」
「独占欲…」
「ほら、手首にやるのは手錠でしょ?そーちゃんもつけてるから」
「へー…知らなかったアル!ミツバ姉は物知りアルな!!」
「ありがとう。…そろそろ場所、変えましょうか」
「?なんで?」
ミツバ姉は若干苦笑いする
「流石にドリンクだけで1時間以上居座るのはまずいじゃない…?恋ばなってかなり長くなっちゃうし…
家で話しましょうよ」
「…そうアルな。ミツバ姉の家にも行きたかったからちょうどいいアル!」
そろそろ店員の眼も痛かったので、スッと二人して席を立った
お代はミツバ姉が「奢るわよ」と出してくれた
じゃあ次はミツバ姉の家にて…
休日のノロケ話
じゃああの店でケーキでも買っていきましょう?この前十四郎さんと行ったのよ
へえ〜!私も今度沖田と行ってみるアル!
あ、そういえばこの前沖田の奴ー…
恋する乙女の話は尽きない
・沖神(付き合い中)土ミツ(結婚済)でミツバ姉と神楽がお互いの彼氏の話をしてる
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