無自覚キラー
「神楽〜起きろ〜」
「んんっ…後、5分…」
「新八が」
ガバリッ
布団を勢いよくめくり俺を見る神楽
素直だなオイ
「新八がまだ来ねェと思ってよォ」
ニヤニヤ神楽を笑って見ると神楽は心底ムカついた顔をして「死ね天パ」と一言
ひどくね?
朝食を広げていると玄関の開く音と「おはようございます」と新八の声
「…遅いアル。神楽様が起きるより遅くに来るなんて具の骨頂ネ」
「ごめん、ごめん」
理不尽な言葉にも動じない新八
そして神楽の横に座る
おうおう神楽の奴、ビクってなった
おもしれーなぁ、とその光景を見ているとインターホンが鳴る
「はいはーい」
パシリ癖がついている新八が玄関に行く
いい嫁になるな、アイツ
…いや、誤解はしないでね?違うから!!そーゆーんじゃないから!銀さん女好きですからアァ!!ココの銀さんはそういうのじゃないからアァ!!!
そんなことをしているうちに新八が戻ってきた
美味しそうなお茶菓子を持った黒髪のツインテールに眼帯をかけたかわいい女の子を連れて
「九ちゃん!どうしたアルか?」
「いや、妙ちゃんが…」
「姉上が九兵衛さんに万事屋で遊んでおいでって言ったらしくて」
新八がいるから寄越したわけだ
九兵衛も新八を少なからず好いているからな…
「そうですか。あ、九兵衛さん、ここどうぞ」
新八は九兵衛を朝食を食べ終わった神楽のとなりに座らせる
「九ちゃん、私と遊ぼうネ」
「うん」
「二人とも仲良いよね」
新八がにこにこ笑って二人を見ていた
おいおい…
確かに仲睦まじい雰囲気だが…どうみてもお互いライバル意識してんだろ
「遊ぶって言ってもどうしようか…」
「ぼっ僕は何でも…新八くんと遊べれば…」
下を向いて照れを隠す九兵衛
うん、これは効くわ
こっちも脈拍上昇だね
「わっ私だって新八と遊べればいいアルっ!…かっ勘違いすんなヨ!?」
九兵衛のやりとりが神楽の恋心を刺激したのか神楽も照れながらビシッと宣言する
…ツンデレ!?
おいおい…対称的な二人じゃねーか
新八がどんな顔をしているのか、ふと見てみる
新八は笑顔を絶やさず、「そうですか?」と棚を漁りトランプを出した
「やっぱり大勢でやるならトランプですよ」
新八は俺の隣に座り、トランプを切る
「銀さんもやりますよね」
「おうよ」
切り終えたのか、トントンとトランプを揃え、配ろうとする
その時だった
「銀時様。家賃回収に参りました」
た、たま!!
火を放射される前に雑用がなれているのか、すぐに新八が玄関を開ける
「はいはい。家賃ですよね…これで勘弁してください」
「新八様…はい、確かに」
「あっ!今からトランプをやるんですけどたまさんもどうですか?」
「…いえ。私はそのようなこと…」
「たまには息抜きも必要ですって」
新八がたまを連れてきて、さらに新八がハーレム状態と化した
神楽も九兵衛もたまをじっと見る
…ちょっと睨んでる?
女って恐いな
「たまさんはどこに座りましょう…」
「あー俺退くからいいよ」
たまは「えっ」と反応した
あれ、やっぱこいつも新八に惚れてんだ
新八の隣につくなりたまが挙動不審になっていて
神楽はたまが羨ましいのか嫉妬の表情をあからさまに出している
九兵衛は何やら重たい石を頭に乗せられ、後ろにガーンという文字が見える
「ったま!!そっちは居心地悪いダロ?ぎんちゃんが座った後だし…だから私と替わろうヨ」
おい、どういう意味だ
神楽は何らかの理由をつけて新八の隣を陣取りたいようだ
すると九兵衛も負けずに言い出す
「いや、ここは僕が…神楽ちゃんに嫌な思いはさせられないよ」
「いえ、私は大丈夫です」
「駄目アル!だだ、だって…そこはいつも私の特等席アル」
「でも今日は僕、そこに座らないと…運が悪くなるんだ」
「大丈夫です。私が守りますので、九兵衛様はその場に、神楽様も座っていただいて構いません」
「駄目ったら駄目ッ!」
三人の言い争いが始まる
おいおい
トランプはどうした
てか、新八はへらへら笑ってテレビのチャンネルをいじり出す
よくお前はスルーでいられるな…
新八…
お前は最強だよ
「じゃあ新八に決めてもらうアル!」
「それがいいですね。では新八様」
「誰がそこに座っていいかな…?」
おおお…
新八、どうすんだ!?
新八はしばらくぼおっとして、にこっと笑う
「じゃあ…とりあえずたまさんが座って、トランプのゲームが一戦終わるごとに移動しましょう。」
だからたまさんの次は九兵衛さん、その後は神楽ちゃん。…どうかな?
新八の提案に三人は「分かった」と素直に納得した
「いやー…たまさんに九兵衛さん、神楽ちゃんと隣になれるのって新鮮だし…なんか照れるなぁ。あ、神楽ちゃんはいつもか」
「「「!!」」」
三人共、顔を赤くする
さすが新八
それにも動じない
天然女キラーめ…
俺は、改めて新八はある意味最強だと思いました。
…って作文んん!!!?
無自覚キラー
で、何やりますか?
新八様のやりたいもので構いません
僕も…新八くんがやりたいものなら…
わ、私も構わないアル…
・新八モテ話
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