捕まえるのは至難の技
綺麗な髪の色
しゃらん、と鳴る簪
出るとこ出て締まるとこは締まってるスラリとした身体
黒い着物がまたそれを強調させる
顔も少し傷はついてるもののかなりの別嬪だ
「…何じゃ、さっきからジロジロ見よって…やめなんし変態」
「なっ!?変態じゃねーよ!変態と言う名の紳士だ!」
「いや、自分で変態と言っておるではないか」
そう目の前で煙管を吹かすのはこの吉原の番人―月詠
「にしても、主はよくここに来るな。じゃが…遊郭に来る普通の人は目当ての女と遊ぶ筈じゃが…」
お前は遊ばんのか、と首をかしげて聞いてくる月詠
「遊んでんだろ?別嬪の女と」
「は?そんなとこ見たことない―…」
言い終える前にピッと月詠を指差すと月詠は何とも間抜けな声を出す
「…わっち?」
「他に誰がいますか?」
あーなんか恥ずかしい、などと思っていると
月詠はニコッとそりゃもう、いつものクールな顔が柔らかく、開花されたように笑うもんだから
照れ隠しに頭をボリボリ掻く
「嬉しいぞ。だがわっちが言ってるのはそうじゃなくて…誰か目当てがいるんじゃないのか、と」
…あれ?
おかしいな、伝わってなかった?
目当ての女、
それお前なんだけど…
「…月詠」
「何じゃ?」
言うんだ!
男ならハッキリと!!
意を決して言葉を発する
「…この鈍感女!!」
「ハァ!?」
こっ恥ずかしいことを正直に言える筈もなく
捕まえるのは至難の技
最終的に月詠に反感を買ってしまいコテンパンにやられたという
捕まえるのも素直になるのもまだまだ先の先
※鈍感月詠と頑張る銀時
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