あなたのエガオの理由になりたい
「♪〜♪〜」
ガラリと鼻唄混じりに万事屋に入ってきた新八
「今日は一段と機嫌いいアルな新八」
「ははは♪今日はお通ちゃんの限定版CD発売日だからね♪」
とても嬉しそうにする新八に何故かイラッとする神楽
――なんで私がイラついてるネ。
「…で、買えるお金があるアルか?」
「うん。ずっと貯めてたからね」
「じゃあその金で私に酢昆布上納するヨロシ」
「いやいや、これ、CDのために貯めてたんだから」
ダメに決まってるでしょと笑う新八にイライラが募る神楽
「いいダロ?私に使うほうがいいに決まってるネ」
「えー…」
なかなかCDを諦めない新八に遂にプツリ
「付き合ってるんだから彼女を構えっつってんだよ!何アルか!この堂々とした浮気されてる感は!?」
「わっ、ちょっ、」
新八の止める声も届かず神楽はそこら辺に落ちているものを投げつける。
「ばかばか!ばかばかばか!」
どん、と新八にもたれる神楽を新八が抱き締めるとようやく神楽も大人しくなる。
「毎回毎回…お通ちゃんのことになると笑顔だし、楽しそうだし…そんなことでイラつくなんて…まるで私ばっかり新八のこと好きみたいで嫌アル」
ブツブツと愚痴る神楽
新八はクスクスと笑い、ポンポンと神楽の頭を撫でる。
「別に浮気のつもりはないんだけどな…お通ちゃんの好きと神楽ちゃんに対しての好きは全然別物だし。でも…」
?と首をかしげる神楽
「妬いてもらえるのも悪くないね」
そう言ってクスクスと笑う新八
「!バカダ眼鏡!妬いてなんか〜…」
そう憎まれ口を叩きつつも赤面をしているので余計に笑われる神楽
「笑うな!」
「ははっだって…あーもう…」
かわいいなあ、と笑って言ってあげれば満面の笑みで上機嫌になる神楽
あなたのエガオの理由になりたい
私たちは同じことを考えているんだ
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