しりとりゲーム
「ねえ」
声をかけてくるのはお団子頭でチャイナ服を着ている少女
「なんでィ俺ぁ今忙しいんだ。」
「忙しいってお前ただベンチでアイマスク被って寝てるだけじゃねーか」
「…」
「しりとりしようヨ」
「…………。は?」
「だからしりとりアルよ。知らないアルか?」
「いや、んなもん知ってっけど…なんでいきなり?」
「さっきみんなでしりとりやってたら結構楽しかったからアル。ね、やろうヨ」
「…」
無反応に怒ったのか、チャイナが器用にアイマスクを取る。
「聞けヨ!」
「へいへい…相手してやるよ。」
「そうこないとナ!言っとくけどこれも勝負だからナ!負けたら相手の言うことなんでも聞く!!拒否不可!」
ビシィッと効果音がつくかのようにこちらに人差し指を向けるチャイナ
「…言ったなチャイナァ。今の言葉、忘れんじゃねーぞ?」
「望むところヨ!この神楽様が負けることは有り得ないネ」
その自信はどうやらさっき友達とやった時に全勝したかららしい。
じゃんけんをして先に言うのはチャイナになった。
「じゃあ『しりとり』の『り』からアル。りす」
「すぐにキレるチャイナ」
「なんだとコラァ」
「アルアル口調忘れてるぜィ」
「いちいちうるさいネ、大人の事情ヨ」
「よく言うぜィ、お前ガキじゃねーか」
「神楽様に向かってガキなんて…余程死にたいようアルな」
「何が神楽様でィ胸見てみ?まっ平らじゃねーか」
「…覚悟はヨロシ?」
「死の覚悟?そりゃお前のほうでィ」
「…いつもいつも憎まれ口叩きやがって…おめー私のこと好きなのか?言ってみろよ」
「よせやい。そういうおめーこそ俺のこと好きなんだろ 正直にはけ」
「好きじゃないアル」
「しりとりの途中ですけど?」
「…毛ほども好きじゃないネ。お前のことなんか」
「カス」
「(あれ?普通のに戻った?)スルメ」
「メス」
「スコンブ」
「ブス」
「す…す…スカル」
「留守」
「また『す』!?お前、何がしたいアルか!?」
「襟つかむんじゃねーよ。」
「イラつくアル!『す』ばっかじゃねーか!!」
「だって『好き』って言わせようと思ったから」
「…」
するとボンと効果音が出るようにチャイナは赤くなった。
「───…ッす、き?」
かわいすぎ…
「キスしてい?」
「なっ…い、いい…かもしれな」
最後を言い切る前にチャイナにキスをする。
唇を離した後のチャイナの顔といったら…
かわいすぎていろいろ危なかった…
しりとりゲーム
「しりとりの勝敗ってどうなったんでィ?」
「…保留アル」
「まあ、俺はしりとり内でやりたかったことできたんでいいけどねィ」
「私はまだアル!!」
「何をさせたかったんでィ俺に」
「土下座して『神楽様、俺の負けです。酢昆布1年分差し上げます』って言ってもらおうと思ってたアル」
「…」
「でも今は…やっぱなんでもないアル!!」
そう言ってチャイナは顔を赤くして走り去っていった───
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