少しずつ何かが変わっていく
今日も町内の巡回
ま、当然サボるわけで
よくアイツと喧嘩してる公園のベンチで寝転ぶ
大抵のアイツの第一声はこうだろう
『そのベンチからどくヨロシ。それはこの神楽様のベンチアル』
なぜか予測できてしまう自分に嬉しくなってしまう
アイマスクをかけて寝る体勢をしていると何やら誰かがこっちに近づいている
「おいバカサド」
あ、やっぱり
この声はチャイナだ
けれどいつもの呼び掛けがまだなので反応はしない
が、チャイナはなかなかいつもの呼び掛けをしない
「おーい」
耳元で呼ばれドキリと心臓が跳ねる
そして次に続く言葉は
「…寝てるのカ…」
しまったアアア!
完全に起きるタイミングを逃したと後悔する
これじゃあ何にも面白くねえ
そんな風に心の中で悪態をついているとチャイナから言われるなんてあり得ない言葉を言われる
「―…すき」
え、マジで?
何故かにやけそうになる顔を、必死で直す
「好きアル。」
チャイナは最後にもう一度そう言うと公園から出ていったのだろう
チャイナの気配がなくなりつつも未だ起きることができない
何あれ
ジョークだよね
そう考えていてもあの言葉はどうみたって告白だ
「…マジでか」
少しずつ何かが変わっていく
次会ったときに自然でいられるのか俺は…
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