平凡すぎる日常に愛しさを
「なあ、お妙」
「なんですか?」
万事屋のソファーで向かい合って座る二人。男は万事屋経営者の坂田銀時で女はその従業員の姉、だった。
過去形には理由がある。今は経営者の銀時の恋人だからだ。
はっきりと関係を理解しているのは神楽のみで、後の人達はなんとなく…分かっているのだろう。
新八はまだ気づいている様子は見せないが。
「和むなあ…」
これといって何かあるわけでもない。新八は来てないし、神楽は気を遣ったのか外に定春を散歩させに行っている。ストーカーゴリラこと近藤は真選組の仕事、雌豚ことさっちゃんは忍の仕事でもしているのだろう。何せいつもなら分かる嫉妬や欲望の気配が今日は無いのだから。
全くもって平和な今日この頃。
外の鳥の囀りが尚更柔らかな空間を作り出す。
「銀さん、」
「…ん?」
「隣、寂しいんです」
ぽそりと漏らしたその声に銀時は照れくさそうに頭をかきながら「丁度そっちに座りたかった気分」とお妙の横に移動した。お妙もまた照れた様子ではにかんだ。
「やっぱり、銀さんが隣にいると落ち着く」
「嬉しいこと言ってくれんじゃん」
お妙は、ふふっと笑うとコテンと頭を銀時の肩に倒した。その仕草に銀時は驚くものの同じようにはにかみ、軽くお妙の髪を透く。
「今日はいつも以上に甘えただな」
「銀さんの対応もいつも以上に甘いですよ」
「そうか?」
「そうですよ。だからたくさん甘えさせて」
「はいはい…」
うんざりしたような返事と裏腹に銀時の顔は綻んでいた。優しげな笑みを見せられ、お妙は顔を朱に染める。そして銀時から目を反らして口を尖らせた。
「いきなりは反則、です」
「?何が?」
「何でそんなに嬉しそうな顔するのよ…」
「え?いや、だって…」
お妙の発言は別に怒ったわけでもない。そんなことは銀時だって分かっている。しかし狼狽えるような言葉にお妙は「?」を頭に浮かべ、銀時を横目で見る。
「お前が甘えてくるのとか、結構レアだから」
困ったような照れ笑いをする銀時にお妙は再び顔を背ける。そして銀時に少し体重をかけてもたれた。
「ばか…」
いつもの強気な口調ではなく、甘く控えめな口調で放たれた言葉に銀時は、ふっと笑うと同じようにお妙の方に密着した。
平凡すぎる日常に愛しさを
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甘っ!そしてほのぼのすぎる!!
銀さんのキャラが崩れた…(゚□゚;ごめんなさいっ!
見てくれてありがとうございました!
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