逮捕します!!
「…見つけたわよ」
「何?おねーさん」
昼だというのに薄暗い路地裏
そこには長年追っていた事件の犯人が息を切らして座っていた
「驚いた…その目立つ銀髪で逃亡なんて」
馬鹿なんじゃない?と罵れば銀髪は鼻で笑う
「で、何?逮捕?」
「もちろんよ。
坂田銀時・強盗、詐欺、窃盗…まあ随分色々やったじゃないの」
年貢の納め時よ、と彼に近づく
「それはどうかな?」
「は?どういう」
意味?
そういう前に彼に腕を引かれ、彼の胸に飛び込む
「なっ」
「甘いねェおねーさん」
捕まえるならすぐに捕まえないと
耳元から脳裏に伝わる声
「じゃないとこっちがあんたを捕まえちゃうよ」
「は、離しなさい!」
ジタバタともがいていると一緒に行動していたもう一人の刑事―土方さんの声が聞こえた
「妙ー!?あいつ…どこ行きやがった…」
「ふーん…妙って言うんだ?」
「土方さ…」
口を手で覆われる
「むさい男には捕まりたくないんだよね。特に土方くんは」
楽しいっちゃ楽しいけどねェ、と付け足しの言葉を聞く
パ、と口に覆われていた手を離され ふう、と息を吐く
「あなた…土方さんを知ってるの?」
「んー…腐れ縁、みたいな?コ○ンで言う新○とキ○ド的な?」
「そんな危ない話を持ちかけないで下さい」
…と、話している場合ではない
我に返り手錠を取り出―…
手錠を取り…
手錠…
「妙が探してるのはこれ?」
目の前にプラーッと手錠が揺れる
「い、いつの間に!?」
「抱き締めたとき〜」
「返しなさいよ!」
怒鳴り声が響いたのか土方さんの足音が此方に向かってきた
「あーあ…タイムリミット」
「大人しく捕まることね」
「悪いけど俺は往生際が悪いから」
「きゃっ!?何!?」
急に片腕を引っ張られ、ガシャンと手錠をはめられる
そしてもう片方は近くにあったパイプ管にはめられた
「なっ!?警察にこんなことしていいと思ってるの!?」
「逃げるためですから〜。ちなみに鍵は貰っとくね」
「!」
銀髪はニコッと笑う
やられた!
「じゃ、また今度俺を捕まえてね」
銀髪は土方さんの姿がはっきりしてきたぐらいの時に素早く逃げていってしまった
「っ絶対に捕まえてやる!!」
逮捕します!!
絶対に…この手で逮捕してやる!!
妙!?どうしたんだ?
坂田銀時にやられました
アイツか!くそっ…また逃げられた…
私が落とし前をつけます
…燃えてんなァ…
※現パロの刑事もの 犯人×刑事
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