Clap
ありがとうございました。
返事は
reにて。
※↓銀妙になります。
目で追うだけでいい。
彼はみんなから好かれる存在の私の同級生。その好かれ方はまるでアイドルだ。
だから誰かが独り占めなんて許されない。しようものならそれなりの制裁が加わるだろう。
まあ、なかなか接点がない私には関係がない筈…だが…
「あの…私に何か?」
「え?あ、これと言って用がある訳じゃないんだけど…えーと…隣の席だし、よろしくな」
私の顔を間近で覗き込んで微笑む校内アイドル、銀時はそれだけ言うと距離を広げた。
何故よりによって隣の席───!?
席替えを楽しみにしていたがこれは嬉しいような嬉しくないような…。
みんなに愛される彼の隣は何処か優越感がある。そして突き刺さる視線に正直、肩身が狭い。そして、それをあくまでもコッソリと執念深くやるのが女というものだ。ああ、怖い。
「志村ってさ、弟が剣道部だよね?」
「え?あ、まあ…」
「やっぱ新八の姉貴か!」
「あ、そっか坂田くんって剣道部だっけ」
「そーそー。志村は部活してるっけ?」
「してないよ。家、色々忙しいから」
軽く笑って答えると「ふーん、そっか」と相槌打たれ、彼との会話が終了する。
思いの外話すことができたことに驚きと周りの視線にドキドキと心臓が鳴る。
「銀時くん、神楽ちゃんが呼んでるよ?」
クラスメートの声に彼は耳を傾けると、一学年下の彼が妹のように扱うかわいらしい少女、神楽ちゃんの所へ足を運んだ。
彼女との接点は弟の新八が仲良くしているから少し話すくらいの仲である。ただ、好かれているからなのか「姉御」と呼ばれるくらいには仲良しだと思う。
「銀ちゃんに頼みがあるアル!」
「何?奢らねーぞ」
「うっ駄目アルか…ってそうじゃなくて!姉御っ!」
「あねごォ!?」
予想外の呼び出しに目を丸くする。目を丸くしているのは坂田くんも同じだった。おそらく「姉御」って何、といった様子だろう。
その「姉御」と呼んだ本人は綺麗なスカイブルーの瞳を輝かせて私を見ている。その様子を気にくわないといった目で見てくる女生徒たちに、少々抵抗はあったが席を立って二人の側による。
「どうかしたの?」
「お願い!二人に協力求むアル!」
「だから何だっての…」
バンッと神楽ちゃんが出したのは遊園地のフリー券…。
なんだろう…この場の空気の流れといろんな人の殺伐とした視線により分かるのは、私に死亡フラグが立ったことだろう。
「ちょっとした恋のキューピッド…なってくれないアルか?」
かわいい笑顔で発した言葉に私は冷や汗をひとつ。
うん、予感的中。
すべての視線が痛いほど伝わった。
いつだって急展開
(俺はまあ、いいけど…志村は?)(──…別に、ダメじゃないけど…)(やった!ありがとアル二人ともっ)