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拝啓 司波達也様
   司波深雪様

 どうもこんにちは。そうですね、この手紙を書いているときは丁度プレステで「暗い魂3」が発売されたばかりで、私はタマネギ装備を手に入れるべく奮闘しています。交換通貨のような存在である魂を必死に集めて武器を錬成したり、頑張って物語をすすめてシークハルト△!(さんかっけえ!)なんてことを友人と言っていたりします。あなたたちの記憶に残る私と時間以外はそんなに大差ないのではないでしょうか。
 さて、そろそろ何でお前手紙書いてるの?頭おかしくなったの?とか思われていそうなので、経緯から記述していきたいと思います。
 灼熱のハロウィンを終えた先日、私のいる部隊――達也君は同じ部隊ですが、きっとこんな話を知るわけがないのです、だって居ませんでしたし――に、ある命令が下されました。 
『万一の時のために、家族あるいはそれに並ぶ大切な者へ手紙を残すように』
 これを聞いて、私はびっくりしました。今までどんなに危険でスプラッタになりそうな実験でも、藪医者―山中先生の人体実験でもこんな命令を言われたことはなかったのです。何で何で?と聞いてみたところ、私が座標軸の向こう側に隊員を転送する恐れがあるから、と冗談を言われましたのでその失礼な真田は壁に埋めました。まあ大方、『時代が変わる』と読んだ結果でしょう。んなことしたって何も変わりゃしねぇよバーカ、とか思ってないです。ええ、思ってないですとも。なのでこうして手紙を書いているのですが、あいにく私には家族と呼べる人は風間さんだけですし、風間さんは常に私の上官であり隊長なので、とりあえず今早急に書く必要はないと考えました。一応後で書きますが。まあそんな経緯から私は司波兄妹のお二人に手紙を書こうと思いました。
 一つ目の疑問はこれで解決ですね?そうですよね。では次に、きっと何でお前敬語なの?日頃のキャラは?とか言われてそうなので理由をざざっと書きます。
 風間さんに言われたからです。以上。
 本当はそれだけではないです。父が残した遺書を読んで『こうして文章は遺って想いを伝えるのか』と直に知った時、丁寧に書かないと後悔すると感じたからです。決して父の遺書が変だったとか酷い有様だったとか、そういうわけではなく。なので、私はこうして真面目くさって書いています。
 とまあ、長すぎる前置はここまでにします。前置です。だから、もし私が『行方不明』『意識不明』の状態でこの手紙が届いたなら、もうここまでにして閉じてください。私は死んでいないので、読む必要はないですから。

戦略級魔法師から司波兄妹へ


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