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――私は死んでいますか?死んでいるのならば、続きを。

 さて、本文です。私は死んでしまったようですね。私は死ぬときに痛いとか、悲しいとか、悔しいとかそんなことを思ったのでしょうか。この手紙を書いているのは学校が臨時休校になった日なので、少々手持ち無沙汰なので変なことばかり考えているというのは否めないところです。でもまあ、達也くんや深雪、大切な人を守って死ねるなら、きっと父も母も許してくれると思うのです。

 そういえば、私と達也くん、深雪との出会いは戦場となった沖縄でしたね。あの時は深夜さんがいらっしゃいましたし、桜井さんやジョー、真田、風間さんもいました。達也くんと深雪が基地を見学に来て、達也くんとは訓練の様子を見たり実際に組手をしたり、CADについていろんなことを話したりしました。深雪とはわずかな会話をしただけでしたが、私はあの頃から深雪の可愛さに射抜かれてました。いやあ、美少女万歳だね!
 で、人生で初めて戦場に出たり、敵の戦艦全滅させたりとなかなかイベントの多い夏休みとなったわけですが、それだけで二人との関係は終わるかと思えばそうではなくて。あれから今までずっと、達也くんと深雪は私とおしゃべりしてくれて、遊んでくれて、私のくだらない趣味も愚痴も全部付き合ってくれて、風邪で倒れた時は看病までしてくれて…。友達の少ない私は涙が出るほど嬉しかったです。ありがとう。

 私が死んだことを、二人は怒っているでしょうか。悲しんでくれるとは信じているのですが、どうも悲しむより先に怒られそうな気がしているのです。まあそうですよね、達也くんの魔法に頼って怪我を治したこともなければ、深雪の見ていないところでいつも勝手に怪我して帰ってくるものですから、怒る要素はありまくりなんですよね。ええ、ええ。自覚してますともはっきりと。
 でも私は、その度に二人を、大切な人たちを守れたことを自覚できて嬉しかったのです。だから、そうやって死んでいったなら、私は満足です。身勝手でごめんね。

 さて、書きたいことばかり書いてきましたが、そろそろ読み飽きると思うので締めたいと思います。

 深雪、今までありがとう。
 私はあなたのような絶世の美女と友人でいられたことを、面倒見が良くて、私を畏怖することなく可愛がってくれる友人に恵まれて幸せでした。

 達也くん、今までありがとう。
 私はあなたのような賢くて、誰よりも冷静だけれど誰よりも優しい友人に、どこまでも頼れる戦友に恵まれて幸せでした。

 私は、あなたたちが大好きです。
 どうか、あなたたちが幸せに生きていくことを祈ります。

 さようなら。
 


大切な友人たちへ


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