今日は池袋に用事が…ある訳ではないが池袋に行く。何故かって?人間観察のためでもあるけど、他にちゃんと理由がある。

「シズちゃん!会いに来たよ!」

愛しのシズちゃんに会うためなのだ!

「…何でテメェがここにいるんだぁ?」

シズちゃんは俺が会いに来てくれて嬉しくて、ついつい反対のことを言ってしまうようだけどね!

……あ、ちなみに、シズちゃんと俺は付き合っているよ。皆には内緒にしてるからシズちゃんは皆の前で好きだとか言えないだけで、二人きりのときはちゃんと好きとか寂しいとか言ってくれるんだよ。だから俺をストーカーと間違えないでほしい。
正臣くんや帝人くんにはストーカーと思われているようだけど。

「だから言ったじゃない、シズちゃんに会いに来たって。」

「死ね!」

「やだなぁ、死んだらシズちゃんを抱き締められないじゃない。」

「抱き締めなくていい触るな死ね消え失せろ。」

俺にはわかってるよ、街中にいる時の君は全て本心とは逆のことを言ってるってことをね。
ホントは抱き締めてほしいくせに…君は本当にツンデレってやつだよね。街中にいる間はツンツンだけど。

「今すっごく甘やかしたいんだ!だから甘えていいよ、ほら俺の胸に飛び込んでおいで!」

そう言って両手を広げたら、ごみ箱が飛んできた。避けることもできずにもろに受けて俺はどしゃっと倒れた。ごみ箱って辺りにすごく愛を感じる。しかも当たったのは側面だし。言うほど痛くない。

「何が甘やかしたいだ、あぁ?殺されてぇのか、そうかそうなのか。ならそのままそこに突っ立ってろ。今息の根を止めてやる。」

シズちゃんが標識を引っこ抜いて俺の方に振り下ろす。俺は目を閉じてその標識を受け止め、俺の意識が一瞬でとんでいった。
シズちゃんから受ける暴力でさえも愛しいと感じてしまうのだから、俺は相当重症なのかもしれない。





「避けろよ、馬鹿!」

起きたらシズちゃんに平手打ちされた。おかしいな、頬より首が痛いぞ。むち打ちになったかな?
首を押さえながらふかふかの白いベッドから起き上がり辺りを見渡す。ここは新羅の家か。

「…俺が手加減しなかったら本当に死んでたかもしれないんだぞ……何時ものように避けろよな…」

「シズちゃんは手加減してくれるって信じてたからさ。」

頬にキスして微笑めば、シズちゃんはキスをした部分を手で押さえて顔を真っ赤にした。

「だってシズちゃんは俺を愛してるもんねぇ?」

「だ、だだだ誰が、誰を、ああああ愛してるだなんて、ば、馬鹿じゃねぇのホント!頭打って馬鹿になったか!そういや元からお前は馬鹿だったな!心配して損した、次また池袋で会ったら今度こそ殺すからな!」

シズちゃんは側にあった照明器具に八つ当たりして部屋から出て行ってしまった。うん、やっぱり俺を愛してるよね。八つ当たり相手が俺じゃないから。

クスクス笑っていると新羅が入って来て「静雄くん、こんな変態に狙われて可哀想だなぁ」とか言ってきた。それを言うならお前のとこの運び屋もだろ、と言ったら「僕は変態なところも愛されてるからね!」とか言って惚気話が始まった。

さ、今からお姫さまを迎えに行こうかな。ツンツンなお姫さまも好きだけど、デレデレなお姫さまが王子さまとしては大好きだし。
お城に連れて帰って王子さまを求めてもらおう。求めてる時のお姫さまのギャップ、本当に堪らないんだよね!





(さあシズちゃん、新宿に帰ろうか!)




のんちゃんこと幻影少年のNORUN様に捧げます!
「デレデレ臨也×ツンツン静雄で甘々」ってリクエストだったのに、静雄がツンデレになった挙げ句甘くなりませんでしたすみませんんんんん!
私にはツンツンの定義がわかりませんでした…気を抜いたら変態臨也と被害者静雄になりそうだったのでツンデレになりました…

返品はいつでも受け付けてます、キラッ☆これからもよろしくお願いします!