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「う…ぅ、ひっく…ぅぁぁ…ふ、ぅぇ、」


もう本当、剥き身のままのこいつのことは、死ぬ程大事にしてやろう。






「…え、何、お前ちんこちっせえのな」

「…うるさいな」

高校生になって初めての夏。付き合っていた俺と臨也は、これまた二人で初めて、セックスをした。
傍目から見たら「は?付き合ってんの?は?」とか言われて呆然とされる事必至な俺達だからいざセックスするとなった時は俺もなんとなくこいつにどう接しようか躊躇ったのだがそんな事は蹴って掃いて捨てられる程度に重要では無かったので、すぐに吹っ切れた。そうしてベッドの上でさあ今から、となった時に視界に入った、臨也の……短小な上仮性「……あんまり見るなよ!!!」…あ、怒られた。っていうか毛も薄ければ色も薄いのな。…うん、拗ねてる。いや、なんかセックスしようってなった時から妙に消極的…ではないんだけどなんか気掛かりなのかなみたいな感じではあったんだよコイツ。セックスしたくないって訳ではなかったのはわかってたんだ。だって臨也もしたいとは言ったし。だからまあ緊張とかしてんのかなと思ってた。…こういう事か。っていうかこいつでもこういうこと気にすんのな。むしろ開き直るかと思うのに。

臨也は全裸でちっせえちんこ晒したままベッドの上で俯いてる。いや晒したままっつか胡座かいて足首に手引っ掛けて微妙に隠してはいるが。

……耳まで真っ赤。


「いいじゃねえか可愛いぞそれ」

「…うるさい」

もう怒鳴れもしなかったが声が震えてる。なんだこれ可愛いな。











もう消えたい。やっぱり駄目だった。誤解しないで欲しいいくら俺が仮性で短小だからって俺はきっと相手がシズちゃん以外であればこんな無様なことしない。っていうか無様なのを気にしない。だって面の皮厚いし俺。だけど、だけど無理だ。だってシズちゃんだし。シズちゃんだから駄目なんだ。

恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい。シズちゃん俺の見て馬鹿にしてるかな。笑ってるかな。恥ずかしい恥ずかしい、もう嫌だ。

と、今度は別の不安。

……シズちゃんの前にこれ晒してシズちゃんどう思ってるかな。情けない奴だって思ったかな。こんな奴と喧嘩してたのかと思われたらどうすればいい。馬鹿らしくなって冷められたら。もうセックスもしてくれないし喧嘩もしてくれないかな。やだ、嫌だ、そんなの嫌だ。その事に思い至るともう駄目になった。急激に血の気が引いて心臓が痛くなる。呼吸が苦しくなる。目の前が遠くなって来た。シズちゃんが行ってしまうんじゃないかと思って無意識に引き止める様に膝立ちになる。手が伸びる、けど伸ばし切れない。何か、何か言わないと。あ、あ、シズちゃん、違う、違うんだよ、別にそんな、…意味のない言葉の羅列。何を言いたいのかもわからないが何か言わないと。目が回る。指先にも足にも感覚がない。寒いのに熱い。目眩がする。やだ、シズちゃん、「え、いやごめん、別に馬鹿にした訳じゃねえんだよ、泣くなって」え、だって、…え?平気、なの?「なあごめんって、」ぎゅ、と膝立ちになった体を抱きしめられる。「…ぁ、」急には言葉が出ない。大丈夫なのかな。シズちゃん大
丈夫なのかな。

「…え、シズちゃん、大丈夫なの、俺、みっともないけど、」

「は?いや大丈夫も何も別に……俺は可愛いと思ったけど手前の」

「…か、わい、」


ボンッ、と、噴火するみたいな音が聞こえた気がした。かわいい、なんて言われても全然嬉しくないのに、シズちゃんに言われたのが、すごく嬉しい上、何これ、恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい恥ずかしい、頭クラクラする。すると、シズちゃんがふ、と笑った。何で笑ったんだ。俺また何かしたかな。恥ずかしい、恥ずかしい、恥ずかしい。


「気にすんなよかわいいんだからいいじゃん」

「…!!」


駄目だ、もう、どうしていいかわからない。熱い、恥ずかしい。



俺を抱きしめていたシズちゃんが、手を離して俺の腰に手を添えて肩を静かに押す。え、え、なに、そう思っていたらやんわりとベッドに体を倒された。あ、そっか、セックスするんだった…、今更ながらに思い出したら何だかもう頭がパンクしそうだ。いやとっくにしてるか。っていうかなんかもう駄目だ。色々もうわからない。
どうしようも無くてシズちゃんを見上げれば、なんか凄く優しい顔で俺を見ていた。

と、シズちゃんの手が、伸びる。…俺のちんこに。
あ、あ、あ、と意味不明なこえが出る。なんかもう今日は訳わからない事ばっかりだけどもう、もう、駄目だ、今更ながらに意味わからないほど恥ずかしい。「あんま恥ずかしがんなよ」相変わらずシズちゃんの顔が優しい。シズちゃんの手が触れる。びく、と全身が硬直した。いいか、とか聞いてくる。いいか、なんてそんな事、…うん、うん、いいよ、なんだか、嬉しくて泣きそうだ。でも同時に恥ずかしくて泣きそうだ。意味わからない。

優しく亀頭を押される。それだけでビクビクと痙攣が走る程だった。静雄を前にして、臨也は殊更鋭敏になっていた。優しく、優しく、時々強く。そんな風に扱かれて、臨也のペニスはすぐにだらだらと先走りを垂らして上を向き大きくなった…とは言え小さいままだが。臨也が茹でだこになっているのも構わずしばらくそれを続けていた静雄だが、何を思い付いたのかふと手の動きを止める。どうしたのだろうかと赤い顔で荒い息をしたまま臨也が静雄を見ると、静雄が徐に屈んだ。え、と臨也が思っている内に、パクリと。臨也のペニスをくわえたのである。



もう茹でだこどころの騒ぎではない。



恥ずかしいと口に出して言う方が恥ずかしいというのにそれももうわからなくなって、臨也はひたすら「いやだ、シズちゃん、恥ずかしいってば!!シズちゃん!!」と声も震えたまま情けない声で叫び、やめさせようとしているのかいないのかわからない様な感じで形だけ腕を静雄の肩に当てて押し返すポーズを取っていたが、それに対して静雄はかわいいなこいつ…と先程から全く変わっていない感想を抱いていた。


勃起しても口に簡単に収まる臨也のペニスを優しく扱く。優しくしてやりたかった。口の中でビクビクと臨也のペニスが痙攣している。ちらりと臨也を見れば全身を震わせて真っ赤になっていた。いやそれはさっきからだけど。……あ、泣い……た。


「おい臨也泣くなよ!!謝るから!!!ごめんってほら!!!」

口から臨也のちんこを離して思わず言う。すると臨也はダラダラ先走り垂らしてちんこを勃起させたままビクッと肩を揺らし、違う、と慌てて表現する様に首を振る。

「ちがっ、嫌なんじゃないってば、いや、恥ずかしいけど、恥ずかしいけど違う!だって、嬉しいけど、恥ずかしいし、ごめ、俺気持ち悪いだろ、」


喋り出した最初は真っ赤だったというのに最後は真っ青になっていた。物凄く忙しない。俺の方も臨也のこの普段の、情報屋折原臨也から掛け離れたこいつがどんどん真っ青になって泣いているのを引き止めるためにもう一度抱きしめた。

「臨也、お願いだから泣くなって。俺はほんとにお前とこうできて嬉しいんだよ。むしろさっきからどこに泣く様な要素があんのかわかんねえよ」


口は臨也のをくわえていたばかりなのでとりあえず臨也の額と俺の額を合わせて、両手を頬に当てる。な、臨也、ちゃんとこっち見ろ。大丈夫かという程沈んだ目がようやく俺と目を合わせた。うん、ちゃんとこっち見ろ頼むから。「頼むから嫌じゃなかったら俺とヤってくれよ臨也、」そう言っている内に、臨也が段々と真っ青だった顔を赤くし始め、


「う…ぅ、ひっく…ぅぁぁ…ふ、ぅぇ、」



ぅあ、ああぁ、と、泣きながら抱きしめ返して来た。泣きっ放しだけど抱きしめ返すという進歩した行動を取って来たこいつに返事する様に俺ももう一度抱きしめ返す。そうだな、うん、




こういう時のこいつの事は本当、大事にしよう。



そう思った高一の夏のある日の事だった。








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