※単体でも問題はありませんが一応これの続きです。
何度も何度もキスが上から降ってくる。そして舌で下唇をぺろりと舐められ、三国は薄く唇を開いた。
「三国さん」
キスの合間に聞こえてくる、熱にうかされたような神童の声に背筋がふるりと震える。優しく舌同士を突き合わせ、舌を絡めあうキスに酔いしれた。
そうして舌と唇に集中していると、神童の手が三国のシャツに伸びてくる。おそるおそる、といったその手に己の手を被せてふっと笑った。
「緊張するよな」
「すっ……、すみません、初めてで、上手くできなくて……!」
「俺だって初めてだよ。気にするな」
鼻と鼻がくっつきそうなくらいの近さで安心させるように笑うと、神童は目を逸らして小さく頷いた。神童がとても緊張しているのが強く伝わってくるせいで、三国は落ち着くことができていた。
神童のこわばった指がぎちぎちと動く。そしてひとつ、またひとつ、と三国のシャツのボタンを外していった。
三国も神童のシャツに手を伸ばすのだが、真っ赤な神童に制止の声を上げられた。
「さ、三国さん、俺は」
「俺だけ裸にさせる気か? 気にせず続けてくれ」
神童がひとつひとつ丁寧に外して行ったやがてボタンが全て外れ、三国は少しの寒さを感じた。が、その寒さを訴える間もなく、予想よりもずっと熱い神童の手が三国の脇腹に触れ、思わずひっと声を上げた。
「びっくりしましたか!? すみませ……」
「いや、いちいち謝らなくていい」
三国が言うと神童が遠慮がちにぺた、ぺた、と三国の身体をまさぐりはじめる。くすぐったい感覚に三国は口元を緩めた。しかし、その手が胸へと辿りついて、何の変哲もないその色づいた部分を指の腹で刺激されると、三国の唇は惹き結ばれた。
「何で、そこ……?」
「男でも気持ち良くなるって聞きました」
「おっ、俺は気持ち良くならないぞ!」
だが神童は聞かない。くにくにと指の腹で捏ね、やがて尖りはじめたところで二本の指でそれを挟む。きゅっと力を込めたり、やわやわと撫でてみたり。
決して快感はないのだが、何でもないそこが痛いほどにつんと尖り、神童の指が少し触れるたびにびくりとするようになってくるのが分かった。
しばらくそれに耐えていると、神童が身体をずらし、いじっていなくまだ何の反応もしていないもう片方のそれに唇で触れてきて、三国は飛び上がった。
「しっ、神童!」
「舐めたいんです、駄目ですか……?」
そう言われては弱い。何も面白くないだろう、と小さな声で文句を言うと、楽しいです、というくぐもった返事が返ってきた。
神童の舌が三国のそれを突き弄ぶ。舌先でぷくりと尖らせて唇で吸うようにされると、愛撫されているはずなのだが、子に乳をやっているような感じがした。しかし、そう思っても、神童の右手は相変わらず痛いほど張り詰めたもう片方の乳首を明らかな意志を持って弄っている。その光景が、そういう行為をしているのだということを如実に表していた。
「し、んどう、もう、そこは……」
いくら待ってもやまないそこへの愛撫に、三国は音をあげた。むずむずする感覚が全身を支配していた。
神童は渋々といった表情でそこから唇を離したが、身体は起こさず、そのまま三国の下半身へとずらした。すると神童の胸元にちょうど三国の下腹がきて、
「う、わ」
「三国さん、たってる……」
制服のズボン越しに、神童の手が盛り上がったそこに触れた。普段ピアノに触れるような優しい手つきで形をなぞる。もどかしい快感に三国の身体が跳ねた。
「うっ、く……」
「脱がせてもいいですか?」
あんなに緊張していた様子はどこへやら、今や神童は本能のままに動いていた。三国はひどく緊張してどきどきしているというのに。
三国が答えずにいると、神童は勝手に動き、三国の制服のベルトを引き抜いた。
「待てっ、神童! ちょっ……!」
「は……、三国さんの……」
三国のズボンのファスナーをおろし、その隙間から零れるように出てきた三国のものをうっとりとした目で見た神童が、それに指を絡めた。
自分の指とは全く違う細い指が絡みつくと、その視覚的興奮が三国を昂ぶらせた。
「あ、大きくなった……」
「いっ、言うな!」
あまりの恥ずかしさに神童の頭をはたきたくなる。だが恍惚の表情で扱かれていては、怒る気すらなくなってしまった。
決してとても上手なわけでもなく、ただ至って普通に手で上下されているだけなのだが、たまらなく気持ちが良かった。
「神童、お前のも……っ」
一人だけ気持ち良くなっているのは居た堪れなくて、三国は言った。すると神童は少し考えて、おずおずと身体を起こした。
「じゃあ……、一緒に」
そして神童は己もベルトを外し、ズボンの前を寛げた。出てきた神童のものは、きっと言うと機嫌を損ねてしまうのだろうがまだ少し幼く、しかし天を向き興奮を伝えていた。それを数回扱いて、神童は三国のそれを突き合わせた。
「わ……、な、何だか、変な感じ、だな……」
三国が身体を起こすと、神童がその足の上に自分の足を乗せ、さらに下腹が密着させる。お互いの先走りで濡れたそれが触れあい、思わず腰が引けた。
「うあっ」
「逃げないで下さい、三国さん」
しかし逃さぬよう神童の腰が追ってくる。赤く剥けた敏感な先端が神童の腹に触れていては、腰が引けるのも無理はなかった。二本の屹立を手に余らせながらも、神童が扱きはじめた。
「う、わっ、は……っ」
「三国さんも、してください」
言われて、三国はそれに手を伸ばした。神童よりも大きな手が二本のそれを優しく包む。普段自らのを扱くのとは勝手が違ったが、ここまでしてくれた神童を気持ち良くさせたくて、必死に彼の良い場所を探すように動かした。
「ッあ、そこ……っ」
「ここが好きなのか?」
「はっ、あ、だめですっ……!」
三国が神童を攻めると、神童は嫌だというように首を振った。やがて神童の扱いていた手が三国の先端に移動し、空いていた手で三国の首にしがみつき、下から見上げるようにキスをした。
「んっ、んんっ……」
二本まとめて扱いていたはずの二人の手は、いつの間にかお互いの弱い部分を攻めるように動いている。キスをする唇の合間からお互いの熱い息が漏れ、もう何が何だか分からなかった。
そして限界はほとんど二人同時に訪れた。
「……っは、ああ……っ!」
「く……っ」
わずか数センチ離れた唇から脳髄に響くような甘い達する息遣いが聞こえた。と同時にお互いのどちらのものともつかない体液が腹にかかり、達したのだということを再確認した。
息を整えながらも触れるだけのキスをする。落ち着く頃には、神童の体はぐったりとしていた。
「大丈夫か?」
「だ、大丈夫……です……、ちょっと緊張疲れしたみたいで……」
「すっかり冷めたけど飯ならあるから、食って元気出せ」
「あっ、そうだ三国さんの料理!」
「……元気そうだな」
ばっと顔を上げた神童に三国は苦笑した。
***
2011.11.22
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