久しぶりに夢をみた
俺の前から恋人が‥
シズちゃんが消えてしまう夢
どんなに名前叫んでも、どんなに追いかけても、どんなに手を伸ばしても
シズちゃんには届かなくて
ただただ絶望と哀しみを感じる夢だ
「‥や」
「い‥や」
「いざや」
静かに目を開けば夢の中で追いかけていたシズちゃんの顔があった
その瞬間、俺は心から安心した
「なに泣いてんだ‥?」
「‥え」
指で目元に触れてみると確かに濡れていた
俺、寝ながら泣いてたのか‥
「怖い夢でも見たのか?」
「‥うん。気にしないで」
「アホか。気にするに決まってんだろ。怖い夢を見たときは誰かに話さねぇとほんとに起こっちまうぜ‥?」
引き締まった綺麗な指で目元の涙を拭うと、そっと頭を撫でてくれた
‥優しすぎるんだよ、シズちゃんは
その優しさに負けたように俺は先程の夢を思い出した
「‥シズちゃんが俺の前から消えちゃう夢。追っかけても叫んでもシズちゃんには届かなくて、すごく‥すごく怖かった」
思い出すだけでまた涙が出てきちゃいそうだ
そんな俺に気がついたのか、包むように抱き締めてきてくれた
「なに不安そうな顔してんだ」
「‥だって」
「ばーか。俺が手前の前から消えるわけねぇだろ」
「‥ほんと?」
「あぁ、誓う」
誓うなんて大袈裟な、なんて思うけど素直にすごくすごく嬉しい
シズちゃんの言葉でさっきまでの不安が嘘のように薄れてく
あぁ
愛されてる
愛されてるんだ
こんな俺を受け入れてくれる人がいる
俺って幸せだなぁ‥
シズちゃんの腕の中は暖かくてとっても優しい
俺はいつのまにかシズちゃん無しではいれなくなっていたんだ
改めて実感できた
そして
もうひとつ実感できたことがある
君がいてくれるから今の俺があるんだと
なんかシリアスになっちまったZE