▽ 死ネタです、
▽ 少し流血あり




















 



何で



何でなんだよ‥






畜生‥‥っ!





臨也が死んだ

こいつが死んだのは俺のせいだ

いつもみたいに臨也を追いかけまわして投げつけて

それを毎度余裕に逃げ回っていたのに‥

今回に限って自動販売機が命中した

その瞬間背筋が凍りついた

宙を舞った臨也は苦しそうにうめき

土砂降りの雨を浴びたような汗をかいて、必死に酸素を欲していた

打ち所が悪かったのか

状況をよく理解できないまま臨也を掲げると、全速力で走った

俺はこんなのを望んでいたんじゃない

ただ‥ただ臨也に振り向いて欲しかっただけなんだ

喧嘩をすることで臨也を引き留めておけそうで‥

殺す気なんかねぇ

むしろ俺を見てほしい

でも臨也は俺を嫌っているから‥

「新羅!臨也が‥臨也が‥」

ドアを足で蹴り倒して友人のもとへと臨也を押し付けた

新羅は驚いていた

「治療するから部屋で待っててね」

すべて新羅に任せた

この時傷つけることしかできない自分に腹がたった

死んでしまいたかった




数時間はたったことか

辛気くせぇ顔で奥から新羅が戻った

「おい!助かったんだよな!?」

新羅は何も言わずに首を左右にふった

「嘘‥だろ‥」

ただ振り向いて欲しかっただけなのに

繋ぎ止めていたかっただけなのに‥‥




これが俺の犯した罪

俺が臨也を殺したんだ

折原臨也と書かれた石に手を置くとそのまま抱きしめた

「臨也‥臨也‥っ」

額を伝わる涙を拭うことなく叫んだ

同時に自分を責めた

臨也がいない世界なんか生きていても仕方がない

臨也がいない世界なんて‥

唇を強く噛み締めると懐から小瓶を取り出し、小瓶ごと口に放り込んだ

ガラスの破片が所々に刺さり錆びた味が広がる

小瓶の中身である液体と一緒に無理矢理喉の奥へ押し込んだ

そのまま静かに瞳を閉じた 





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