もしも王道君が地味で平凡で気弱ないじいじっ子だったら。
【理事長編】




「光くん、久しぶりだね」

「あ…えっと、叔父さん、お久しぶりです…」

うまく挨拶できずもじもじしている光を余所に叔父であり理事長の榊貴文(さかきたかふみ)は、学園生活に置ける説明をした。

叔父と言えども、地味な光とは似ておらず、寧ろ美形の類に入りその大人の色香に光は、当てられていた。

「何かわからないところはあるか?」

落ち着きのあるバリトンに、はっと我に返った。

「あ、ええと、大丈夫…です」

今度は説明を聞いていなかった自分を責め光はうじうじしだした。

しかし、光とは数える程しか会ったことのない榊には、単純に緊張しているだけだとしか捉えられなかった。

「では、これがカードキーだ」

良い学園生活を、と言う榊にありがとうございますと頭を下げ光は理事長室を後にした。





理事長フラグ、消滅



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