機械猫 | ナノ


▼ 白濁に溶ける



※R18



いつも寝てばっかりのエルなのに。その日は珍しく元気で、深夜2時を回ってもおめめがパッチリしていた。逆にわたしの方が眠たくてウトウトと微睡んでいたくらいだ。そんなわたしに気が付いたのか、エルがバックハグを決めながらねみーの?と頬を突っついてくる。眠いのかと聞かれたら、眠くない!起きてる!と天邪鬼になってしまうもので。そう必死に瞼をこじ開けているわたしを見て、エルがニヤニヤとしながらギュッと抱き締める力を強めた。


「な、イチャイチャしよ」


語尾にハートがつきそうな程の甘ったるい声でそう言って、はむ、とわたしの耳を噛む。それはわたしが普段、眠たそうにするエルを面白がって起こす時の常套句その物でうっとなった。今にも卒倒してしまいそうな意識を無理やり呼び覚ましながら、イチャイチャ…するっ!と言って飛び起きるエルに、わたしは頬を緩ませてニヨニヨしていたものだ。そんなわたしを見透かした様に、エルがクツクツと喉の奥で笑って胸元へと手を伸ばした。


「どうだ?眠い時にエッチな事されるの」

「…ぶぇつに!わたしはいつでもそういう気になれるもん!」


エルはいつも前戯の途中で力尽きちゃうもんね!睡魔に負けてぐぅとなるエルとは違うのだよ!!と、意気揚々と強く言い切るわたしに煽られて、エルの方もスイッチが入ってしまったらしい。ほ〜ん?と、若干ヒクついた表情で言うなりわたしのパジャマの下に手を滑り込ませて、やわやわと柔らかい膨らみを揉みにかかるので一瞬意識がハッキリとし始める。


「んっ…」


時折鼻に掛かった声を上げるけれどもヤバい。正直凄く眠い。エルと一緒に見ていた映画が最早子守唄と化していて、気付けば再びウトウトしていた。それでも空いていた右手をエルに掴まれ、そっと彼の下半身に導かれていくのが分かったので反射的に触れて擦ってあげる。


「な、ナマエ。しよ」

「うん…いいよ」


今にも消え入りそうな声で。ほぼ無意識的に返事をした。わたしのパジャマをたくし上げようとするエルにううんと唸って眉を顰める。「恥ずかしい、よ」…くぅ。寝息を立て始めた所でエルが再び投げ掛けてくる。「…生でして良い?」わたしの様子を伺いながら問い掛けるエルは、最近生でしたみたい欲求と好奇心が高いらしい。事ある毎にそう聞いてくるのでその都度ノーとNGを出す。寝ぼけてる今ならとチャンスを狙った様だけど、それには自分でも気付かない内に即答していた。


「だめ」

「何で?」

「恥ずかしいから」


え?と、エルが楽しそうに含み笑いして起き上がる。そこで漸く自分が変な事を言っている事に気が付き自分でも小さく笑ってしまった。なんか、今のでちょっと目が覚めた。よくエルが寝ぼけて変な事言ってるなと思う時があるけど、今のわたしは正にその状態なのだろう。「ナマエ寝ぼけてんの?可愛い」と、エルがわたしの頬にキスを落としながら部屋着のズボンを脱がしにかかる。んー、と生返事を返すけど、本当はさっきので完全に目が冴えてしまったし、「な、良いよな?生でしよ」と強引に迫るエルに少しだけ興奮して。つい寝たフリを続けてしまった。わたしの下着と部屋着をずり下ろすなり、わたしのそこにピトリと自身の熱を押し付けるエル。すかさず「だめ…」と制すけど、エルは「素股するだけ」と言って聞かない。でも普段ゴムをして行為をするわたし達にとって、素股だけでも大分刺激的で興奮にしか繋がらなくて。わたしのそこが濡れて滑りが良くなるまで、そう時間は掛からなかった。わたしの愛液を纏ったエルのそれが、ヌチヌチと卑猥な音を立てて前後に動く。絶妙に擦れる感覚が気持ち良くてつい自分からも腰を動かしてしまうと、口元にエルの指が伸びて来て咄嗟にあむと口へ含んだ。舌を這わせて舐めたり、軽く甘噛みしたり。エルの指を愛撫するのに夢中になっていると、不意に背後から伸びてきたもう片方の指でキュッと胸の先端を摘まれて、思わず艶っぽい声が漏れた。


「な、ナマエ」


生で挿れて良い…?とか、この期に及んでまだ言うか!と思って勢いよくだめ!と返すけれど。正直わたしも誘惑と好奇心に揺られて理性がグラグラとしていた。まるで追い討ちを掛けられる様に、「先っぽだけ、お願い」と懇願されてまたもや意識が揺らぐ。それ、大人向けビデオでよく見るやつじゃん。先っぽだけって言われながらも最後までやられちゃう奴じゃん。と、自分でも分かっていたはずなのに。


「…本当に先っぽだけ?」


なんて。我ながら返しがAVだと思ったけどそれ以外に思いつかなかった。「本当に先っぽだけ」とか、直ぐ耳元で囁かれたのにゾクリとする。エルのその、低くて色っぽい声が好きだ。そっと指を絡め取られてギュッと繋いでくるから堪らない。他の誰でもないエルだから。大好きなエルからのお願いだから、少しくらいならと。そう許してしまうわたしも大概甘いのである。


「んぅ、」


ぬるん、と、湿り気を利用してエルの先っぽが出たり入ったりしている。正直入口で挿入を繰り返されてもイマイチよく分からなかったけれど。興奮材料はゴムをしていないという状況だけでも十分だった。背後から聞こえてくるエルの吐息を聞いていると、何だかつられてしまいわたしの方までトロンとしてくる。ぎゅ、と、エルがわたしの手を握る力を強めてより速く腰を動かし始めた。


「っあ、やば、きもち…」


ぐっ、ぐっ、て、心做しか挿入される深さが増している気がして堪らずエルを制す。


「もっ、だめ、終わり、終わり!」

「ん、もう少しだけ、な?あとちょっとだけ」


あとちょっとだけに絆されてついまた甘やかしてしまうけど。明らかに挿入が深く快楽も増して来たのに気が付いてバシバシと強くエルの腕を叩いた。「はい!おわりっ!」強引に腰を引いて離れようとした刹那、逆に腰を強く引っ張られてぐりっと中を刺激される。ひうっ!と声を上げたわたしに構わず、エルがズチュズチュとわたしの弱い所を一気に攻め立てるので理性が崩壊した。


「やっ、だめっ!エル、普通にはいってる、!やっ、あっ、ぬいてぇ、あ…っ!!」

「きもちぃ?」

「わ、わかんな、あんっ!」

「は、あっ…やば、気持ち良すぎっ」


直ぐいっちゃうよと、掠れた声にやられて余計に脳髄がトロトロと溶け始める。ギュッと強く胸を鷲掴みにされるけどそれがまた良い。性的興奮を煽られて子宮の奥がきゅうううっとなった。正常位しよ、と誘われて、身体を仰向けにすればまた直ぐにエルがぬちゅりと入ってくる。パチュンパチュン。エルが腰を動かす度に身体の奥を刺激されて矯正が漏れた。甘ったるく声を上げるわたしにチュッチュとキスを落としながら、エルがわたしの両腕を掴んで強く引き寄せる。突かれる度にふるふると揺れる自身の胸ですら扇情的で。押し寄せる快感に呑まれるままアッアッ!と喘げば、エルが緩く笑いながら艶っぽく問いかけた。


「これ、好きなの?」

「んっ、ん!すき、それ好きっ、える!きもち、」

「は、俺も、気持ちぃよ」


グリグリ。時折奥を擦り付けられてキュンとなる。「分かる?ナマエの子宮にチュッて、キスしてんの」両足を持ち上げられながらグリっ、て、より深く奥に挿入されてひぐっと喉が引き攣った。あ、だめ、気持ち良すぎる。ゆっくりゆっくり挿入を繰り返されてビクビクとしてしまうわたしを見て、エルが嬉しそうに笑いながら胸の先端を弾く。からの高速ピストン。声を我慢しようとしても到底無理で、咄嗟に枕を自分の顔面へと押さえつけた。


「やっ、らめっ、える!えるぅ!もういやぁ、んっ!いや、いゃ、あああっ!!」

「ん、俺も、いきそっ」


快楽でどうにかなってしまいそうな中、辛うじて何処に出して欲しい?と聞こえてきて僅かに理性を引き戻される。そっか、今日ゴムしてないんだったと漸く思い出し、生という事実にまたもや子宮がきゅっと伸縮した。


「っあ、締め付けすぎ、っ!」

「あっ、ん!ぉ、なか、」


お腹に出して、!って声を上げると同時、エルのピストンがより激しさを増して目の前がチカチカと光る。「っ、いく、いくいくいく…!は、あっ、!」しかしびゅるるっ!と勢いよく、腟内で射精される感覚があって呆気に取られた。…え?若干青ざめながら肩で息をしつつ、おもむろにエルへと視線を移す。汗を滲ませながら同じく呼吸を乱しているエル。自身の下腹部からトロリと、熱い何かが溢れ出して来るのを感じてじんと涙腺が緩んだ。ももも、もしかして、


「なっ、中に出したのっ?」

「へ?」


何故かきょとーんとしているエルに涙目で訴えると、エルは呆気からんとしながら答えた。


「…だって、ナマエが中に出してって」

「言ってないよ!中じゃなくてお腹だよっ!」

「……まじ?」


どうしよう!どうしたら良いのっ!?とパニックになるわたしの頭をおーよしよしと撫でながら、エルは呑気にウエットティッシュを出して後始末を始めるので厶っとなる。何でそんな悠長なの!と怒ろうとしたけど、その前にちゅっと唇を奪われて怒りムーブは強制的に終了された。


「責任取るよ。当たり前じゃん」

「エル…」

「だからまた生でして良い?」

「おばかっ!最低っ!!」


ばしっ!強く引っぱたくと即座にいってぇ!と悲鳴を上げる。真剣な眼差しに一瞬でも絆された自分が悪かった。プンプンしながら両膝をくっつけて内ももをもじもじさせるけど。トロトロと未だに溢れ出てくるそれを、エルが人差し指で掬って中に押し戻すのでゾクリと栗立つ。


「俺は、ナマエとの子供欲しいけどな」


その言葉にドキリとしてついエルの方を見上げた。やっぱり何処か真剣な眼差しで、だめ?と聞いてくるから揺らぐ。


「…だ、」


だめ、じゃない…。真っ赤になった顔でそう返すなり、エルは満足気に笑って。ちゅっと口付けながら今度こそウエットティッシュをわたしのそこに押し当てた。



20230303

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