「みょうじー、ちょっといいか」 「ん?なに阿部、どうしたの英語のテキストなんか持って」 「さっきのとこ、ちょっと理解できなかった」 「あーあれか。多分阿部どっか勘違いしてるよ、簡単だったし」 「まじでか。ちょっと教えてくれ」 「俺らの副キャプテンは勉強熱心だなあ」 「うわ、水谷入ってくんな」 「えっ開口一番それ」 「英語のベンキョーしてんだよ」 「俺阿部よりはできる」 「は」 「俺阿部よりは英語得意〜教えてあげてもいいぜえ」 「…でなみょうじ」 「うん、ああ、ここだよね、ここはさー」 「ちょっとお!二人そろって無視すんなよなあ!」 阿部と水谷と私。高校生活にいつか終わりが来るなんて知っているけれど、こんな日々がずっと続くんじゃないかなあとか、実は密かに思っていたりするんだ。 |