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思春期男子における



オレの彼女は、可愛い。いや親バカというか彼女バカが入ってっかもしんねーけどそれでも友人にはよく称賛されるし女子間での評判も悪くない。どっか天然入ってっけど器量もいいし料理もうまいし優しいし、できた女だ。おまけに乳がでかい。…いや、別にそれ目当てで付き合ってるわけじゃないですよ?副次的なものですよ?まあそんなわけで、オレの彼女は今日もみんなの人気者だ。

「やっばくね?みょうじのブラ透けてんじゃん」
「うっわまじだ…眼福眼福」

おいそこ聞こえてやがりますよオレの耳なめんなよあと目もなめんなこら抹殺するぞ見てんじゃねえ!オレの席からは離れているけれど遠くからなまえを見ている男どもがそんなことを言ってるのが聞こえた。当のなまえはというとさっきからクラスの後ろの方で別の男子二人とおしゃべりに興じている。その間そいつらの視線がちらちらと胸元に行くのをオレの鷲の目が逃すはずもなくですね。ああいますぐにでもいってやりてえお前らなんぞ無料動画サイトのきったない女どもの乳でも見てればいいだろこのやろう!視線がちらちら彷徨うオレを見て真ちゃんが呆れていた。
いやいやでもちょっと待て、でもよく考えろ高尾和成15歳独身彼女アリ。そんななまえが行為の時どんな顔をするのかとかこいつら知んねえかんね?どんなふうに乱れんのかどんなふうに顔歪ませんのかどんな声出すのか、それ多分オレしか知んねえかんね?あ、余裕。それ考えると全然余裕だわ〜、てめえらなんて歯牙にもかけないわ〜。そう、だってオレは彼氏なのだから!肩書きのある関係なのだから!そう思って安堵のため息をついているとなまえと喋ってる男どもの一人のほうがなまえの頭を触りやがった。あ、やばい高尾和成以下省略、カッチーンときましたちょっとワタクシ我慢できません。感情に任せて立ち上がりなまえのところに行く。「余裕はどこにいったのだよ…」黙れ緑間。

「あれ?和くん?やっほ〜」
「おお、高尾」
「聞けよ、みょうじまじでおもしれんだって」
「るっせえ…」
「は?」


「うるっせえよお前ら見てんじゃねえ!こいつもこいつのおっぱいもぜんっぶオレのもんだからな!」









やってしまったのであります不肖ワタクシこと高尾和成、白昼の下で18禁さながらの下いワードをこの口から発してしまったのです。もう消え去りたい。真ちゃんにここから姿を消せる道具とか持ってないのかって聞いたらオレはドラえもんじゃないのだよとしごく冷静に返されてしまった。しかしオレはというとそれに笑いを帰すことができないほど意気消沈してしまっていたのだ。これはいわゆるあれだろうか、穴があったら入りたい。いや、ていうかもう穴があったらさっきの発言聞いてたやつ全員埋めて蓋してそれからなまえと逃げたい。
あのときの一瞬シーンとなった教室と、そのあとの盛大な笑い声を思い出すだけで寒気がする。オレ、こういうキャラじゃないんですけど…!おまけに男子から散々からかわれた上に「おっぱい星人」なんて不名誉なあだ名までつけられてしまったのだ。消えたいよミドえも〜ん。いけない、キャラがもう定まらねえ…!屋上でなまえの作ってきた昼飯を食う。いつものようになまえの弁当がうまいのが逆になんというか、切なかった。

「…和くん一気に人気者だねえ」
「こんなん嬉しくねーけどなあ」
「そお?私は嬉しかったけどなあ、あんなふうに言ってくれて」
「…!」


いやいやいや待て高尾和成!まがりなりにもここは学校でまだお天道様も高いところにいるんだから!押し倒すのはまだ早いぞ、こういうときこそ彼氏の威厳ってもんをだな!…あ、やばいやばいやばいすいませんお願いしますオレの理性、耐えてください耐えてください、まだもうちょっと我慢してくださいあとでトイレででも慰めてあげるから!ストップ温暖化!プリーズドントビーエレクト!これ多分いや絶対文法あってねえ!じゃなくて!隣で純粋に笑うなまえのためにも!
隣でふにゃりとなまえが笑う。依然ブラの線は透け続けている。それを横目でついつい見てしまう男の性をどうか許してくださいミドえもん。「和くん、かっこよかった!やっぱり私和くんが世界一好き」
…おっぱい星人?はっは、なんとでも呼ぶがいいさ、だって、好きなものは好きだからしょうがない!



誘惑の数々について



康子さん リクエスト ありがとうございました!
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