二日目はどうやら合同練習になるらしい。ていうかよく考えてみれば私、あの人たちのプレーとか見たことないんですけど。え、うちのバスケ部って強いの?弱いの?そこそこなの?全くわからん。 「「「お願いします!!!」」」 ホイッスルが鳴り、選手が挨拶をする。外野がわやわやと声を出す。私はなぜかベンチにいた。 だから今日は、ちょっと楽しみにしているのだ。 *** きゅきゅきゅ、とシューズが地面をこする音が響く。足ってあんなに速く動くのか!すげええええボール手にくっついてんの!?おおお、ダンクかっこいい…!「ね?バスケって楽しいでしょ?」リコにそう言われて自分が両手を握りしめていたことに気付く。 「え?ああ、うん?まあ、面白いんじゃい?」 「こっちみていいなさいよ。別に隠す必要ないじゃない」 「うん…なんていうか…すっごい面白いね!」 「開き直りはえーなおい」 コートに視線を戻す。ていうかあれ、誠凛四人しかいなくないか…?ああ黒子くんか!どこにいるかわかんないけど!! するとボールが突然ありえない角度で曲がった。パスがリング下に渡り、木吉くんが軽々とシュートを決める。 「うわおおおいいいい今のどうなったの!?え!?早すぎて見えなかった!?」 「あれが黒子くんの真骨頂…ミスディレクションよ…!!」 ミスディレクションよーよーよーよー(ドップラー効果)そしてこのドヤ顔である。 「ぶっは!ウケる…!技名とかつけてんのあんたら…!面白い…面白すぎるわ…黒子くん…!!」 こらえきれずに吹き出してしまった。ごめん黒子くん。ベンチがすごく残念な顔をして私を見る。 「あんた…それ黒子くんの前で言うの絶対やめなさいね」 リコが心なしか恥ずかしそうにそう言った。いやお前が恥ずかしそうにしたら元も子もないからね!?自信持って! 「いや、ごめん…!でも………ぶっは!!(こらえきれない笑み)」 「…ま、まあいいわ。うちのバスケ部はほかにも自分のテクニックを持ってるの」 リコは試合半ばなのに説明してくれた。伊月くんが鷲の目(と書いてイーグルアイと読むらしい)を持ってるとか木吉くんの後出しの権利(説明聞いただけじゃ全然わからなかったので試合を見ようと思う)とか…笑いをこらえるのに必死でしたスイマセン!!! だっておま…後出しっておま…それズルじゃん!! やばい、認識を改めよう。こいつらあれだ。バスケ部じゃない。…お笑い芸人やったんや。 関係者各位に刺されそうな文章になってしまった…すんませんっした!(脱帽) (120612) |