▼しき/四季/士気/死期/指揮/
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笹倉
しあわせはいつだって寿命が短い
きみはもう僕との365日を消化したのだろうか
はにかみながら終わらせた季節
▼
天
どうして僕らは出会ってしまったのだろう
さようならに変わる言葉を探していた
巡り会えるだけの糸が欲しかった
アムネシアにそっと秘める
春色ヴァニタス
近づくたびに消える
クロノスタシスに願った
僕らは出逢うべきではなかったんだ
▼いちみる
巡りめぐってひとりきり
繋いでいた手が離れたら
もうすぐ君に会えるはず
優しい嘘で呼吸を奪う
さようならは口づけで
ひらひら桜に攫われた
君がいた秋に届くまで
僕の足元に君を埋葬
離れないで、夢花火
雪が舞うたび白む影
▼
伊緒
あのとき、桜の精は存在していたと思ったのです
その微笑みひとつで僕はどこにでも行ける
向日葵よりも眩しい瞳でした
あなたの言うことは絶対、僕知ってます。
夕方のチャイムを横目に柿をほおばって
そんなふうに見つめられると欲に耐えられません
雪が舞うなかであなたが言いかけた言葉
それを悟ると出ていくって話には聞いていたけど嘘でしょう?
そうして季節をいくつも巡りまして、
この日記を見ていると、幸せだった日々を思い出すのです
20180724~