アルフライラ
巨大な月が白く輝き、小さな太陽がうっすらと浮かび上がる。
鮮やかな夜明け前のような紫色の空には、数多の星が、それでも尚肉眼で見受けられた。
この世界に、夜明けはない。
ある日を境にこの国の時は止まってしまった。
朽ちることのない身体。
訪れることのない朝。
閉鎖された空間。
宮殿で独り、彼は笑う。
目の前の振り子時計は、時を刻む為に在るのではない。
◇背景
巨大な月と小さな太陽が、地平線上にうっすらと浮かび上がっている。
空は紫色で、見上げれば無数の星が肉眼でも見ることが可能。
イメージは夜明け前。星や月が主な明かりなので明るくもなく、暗くもない。
◇主たる建造物
国の中心に宮殿がある。
宮殿の中心部には更に振り子時計が設置されているが、その振り子時計は時を刻まない。
◇国民
ある日を境に不老不死になっている。
人口はその時を境に、増えてもいないし、減ってもいない。
子どもは子どものままだし、老人は老人のままである。当然、子どもが生まれることはない。
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