君が好きで、愛して暮れて




「カルバンさん、」

「どうした?」

ふふっ、とこらえきれない笑みを口許から溢し、彼女は言った。

「愛してます」

自分でも、頬が熱を持つのがわかった。



あまり上手くはない料理の腕を上げるべく毎日頑張ってくれている彼女が愛しくて、たまには、と俺が作った料理を囲んでいる時。

突然そんなことを言われて驚いた。

普段は恥ずかしがって「好き」すらも口籠っているのに。

俺を動揺させた張本人は、幸せを隠せないかのようにくすくすと微笑んでいる。

ああ、成る程。

「…ヒカリ。あまり飲むなと言っただろう?」

結婚祝いに貰ったワインが余っていたのを思い出して、夕食に出したのが間違いだったか。

彼女がお酒に強くないことはわかっていた。

「だって、カルバンさんの料理、ワインがすごく合うんだもん」

そう言いながらスパイスシチューを頬張る彼女が、愛しかった。

「ヒカリ」

「俺はすごく幸せだよ。」

嬉しい、と言った彼女の笑顔は、愛が溢れていた。



君が好きで、愛して暮れて



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