この戦争が終わったら、あたし達はどうなるんだろうか


「アレンはどうする?」
「何がですか」
「伯爵と決着が着いた後」
「…そう、ですね」

悩むアレンを見てあたしも考えてみた。家族はアクマに殺され、故郷の村は焼き払われた。あたしに帰る場所はない。

「なつはどうするんですか?」

はい僕の勝ち、と、よく見たら盤面は白で生め尽くされていた。そういえばリバーシの途中だった。

「あたしは……」

白になった盤面をぼんやり見ながら、戦争が終わってもあたしの未来はないと思った。

「分かんないや」
「自分で聞いといて…」
「アレンはどうなのよ」

最初に質問したのはあたしなのにアレンの答えは貰ってない。

「僕も正直……」
「ですよね」

もう一戦、ゲームを再開する。ちなみにあたしは15連敗中。勝つまで終われないのがあたしの性分。

「……賭けをしましょう。負けた方が勝った方の言う事を一つ聞く」
「いいよ!その方が勝てる気がする」
「じゃあ僕が勝ったら、さっさとこの戦争を終わらせて僕と結婚して下さい」

可愛い顔してさらっとプロポーズですか。色々段階があるだろう。アレンという人間は色んな意味を含め本当に恐ろしいと思う。


game


勿論、勝負の行方は言うまでもない



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