それは
君だけのメロディー



学校じゃマナーモードにしてるつもりだけど、今日は忘れていたみたいでその着信音が鳴った。

「タッチかよ…」
「うん。亮介君の着信音」
「え、何お前。個人個人で変えてんの?」
「ダメ?その方が分かりやすいじゃん」
「………」
「ちなみに哲さんは行け行け飛雄馬」

亮介君は悩んだ末のタッチ。意外と思いつかなかった。哲さんはもうこれしかないだろ!ってくらい【行け行け飛雄馬】がよく似合う。(まぁ、あんまりメール来ないんだけどね)

「なつにしては面倒くせぇ事してんのな」
「失礼な!あたしってマメな女なのよ」
「………じゃあさ」
「何?」
「俺は?」
「…着信音1」
「テメェ…」

そんなわけない
伊佐敷の着信音は……


ギュッと携帯を握り締め、ぶつくさ言ってる伊佐敷を見る。



言えるはずがない
言ったらあたしの気持ち、ばれちゃうじゃん



CHE.R.RY
多分気付いてない、よね?



BLコンテスト・グランプリ作品
「見えない臓器の名前は」
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