放課後デートしたいなとか一緒に帰りたいなとか思うけど、口には出さない。言っちゃったら迷惑っての分かってるし部活引退するまでは無理って本人が言ったから。だから、言わない。
ある日、同じクラスの男の子に話があるからと言われ、一緒に帰る事になった。そして運悪くというか、ランニング中の倉持に目撃されてしまった。
「で、アイツ誰なの?」
「だから……」
何回説明しても納得いかないらしく、しつこく聞いてくる倉持に苛立ちを覚え始めた。何もしてないしされてないって言ってるのが分からないのか。
「…浮気だろ」
「ちょっと!」
その内容はあたしの友達が好きで相談されていた。でも誰にも言うなって言われてるから倉持にも言いにくい。しかしそうは言ってられない。
「実はね、」
「あん?」
説明していく内に倉持の表情がどんどん変わっていく。最初は眉間に皺を寄せていたのが最後は顔を真っ赤にさせていた。
「っ、それって俺の勘違いじゃねーかっ!」
「そうだよ」
最初から何もないって言ってるだろうに。それにあたしは浮気出来る程器用な女じゃない。
「倉持は信じてくれなかったなぁ」
「本っ当悪かった!」
「反省してる?」
「してます!」
ちゃんと伝えておけばよかった。今回はあたしにも非がある。
「あたしも、ごめんね」
「いやいや、なつは謝んなくていいって!」
こんな反省してる倉持を見るのは初めてで、ちょっと貴重なものが見れた。
「倉持…」
「ん?」
目を閉じて、さりげなくキスを強請る。
「……アホか」
なんて言いつつも、倉持が近づくのが分かった。
sodapop
青春はシュワシュワはじける泡のよう