自信と毒に満ちた彼はどうやら今日、機嫌が悪いらしい。その原因はあたしだと言う。意味が分からない。きっとあたしの手首を縛る理由はそこにある。
「いい加減にしてよ!」
動けばきつく締められた縄が食い込み、痛い。きっとこれは痕が残るだろう。最悪だ。
「こちとら、ハラワタ煮え繰り返すくらいなつを苛めたくてさぁ」
「ちょっ…」
衣服を剥ぎ取られ肌が露になる。いつもの行為なのに今日は違った。ただ黒いだけの総悟。全身を恐怖が包む。
「本当にやめて!あたしが何したっていうの?」
「自覚ないんですかぃ?」
「……何?」
ニィ、と白い歯を見せ黒い笑顔の総悟を見て、涙が出てきた。逃げられない。
「あ、」
首筋に紅い花を散らす。いつもなら見えない所にその痕を残すのに。
「そこは駄目…」
「いいじゃん」
次々と紅い痕が体に残される。ゆっくり強く、まるで自分のモノだという証みたいだ。明日も万事屋に手伝いに行くのにこれじゃあ行けない。……あ、そうか。総悟はそれが嫌なのか。神楽ちゃんと新八君が一週間くらい居ないと聞いたら銀さんの手伝いに行ってる。あたしが銀さんと二人きりなのが気に入らないのか。
「覚悟しろよ」
激しい独占欲と強い嫉妬心は時に恐ろしい事になる。
「今夜は寝かさねぇから」
自信と毒に満ちた笑顔が月明かりに照らされた。
次なる制裁を
夜は始まったばかり…