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二つの生徒会NGシーン


【OKシーン】


 現生徒会は異例だと言われている。その理由はただ一つ。数週間前の生徒会選挙でのことだ。


『生徒会長……同票により一ノ瀬俊二、有川恵の両名が当選』


「はっ?」

「同票……?」


『副会長……同票により織田涼介、葉月しおりの両名が当選』


「やったー! って……ん? 両名?」

「これは……」


『書記、会計共に同票により森山颯太、上原由衣、柴崎和、日野ナツの四名が当選』


「すっごーい……!」

「まじ?こんな事って……」


「……当選した」

「……うわ」


 この全員が「同票当選」というありえない事態により、職員会議が行われた結果、前代未聞の「二つの生徒会」が出来上がってしまったのだ。男性陣は当初何かの間違いだと思っていた。しかしこの新体制が成立してしまった以上、受け入れるほか選択肢はなかった。


【NGシーン】


 現生徒会は異例だと言われている。その理由はただ一つ。数週間前の生徒会選挙でのことだ。


『生徒会長……当選、一年B組、一ノ瀬俊二君』


「ありがとうございます」

「はっ? ちょ、おい」


『副会長……当選、一年B組、織田涼介君』


「やったー! って……え? あれ?」

「僕ですか」


『書記、会計当選。一年C組、森山颯太君、柴崎和君』


「あれ? こんな話だったっけ」

「えっ? えっ?」


「…………」

「平和的解決だね」


 入学当初から学校側に一目置かれていた現生徒会役員四名。他の立候補者に圧倒的な票差をつけ、無事先代の跡を継ぐこととなった。


【カット】


恵「いや、おかしいだろ! 話終わってんじゃねーか!」

しおり「始まる前に終わる……何だか斬新っすなぁ」

俊二「理想的な展開だが、このまま進めるわけにもいかないな」

恵「当然だろ!」

颯太「確認してきたよ。どうやら実行委員会が、票を数え間違えるのを忘れてたみたい」

由衣「そ、そんなミスがあるんだぁ」

ナツ「…………本来ならそれが正解なのに」

しおり「ノーカン! ノーカン!」




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