第3弾 ゆめのなか ▼あどね裕さま あわいを嘯く 教えてあげない 堆積した色の化石 海の苦しみ 見ども掴めぬ夜半の女 ▼衣笠さま 侘しくひとりきりの常闇にて 振り返るといつも泣いている子のなまえ 走馬灯にあふれるひかり そこに温もりはありましたか?あなたの理想は生きましたか? 不可能を◎ごと食べる 喪失感ごとしまいこんですべて隠したふりをして。 リセットボタンを抉ってでも繰り返したくないこと ほらね、ふしぎとまわりは夢で満ち溢れてる。 嘘でも本当でもどっちでも良かった、あなたが笑っていたのが例え夢の中であっても。 迷い子は夢に溺れる ▼コンテナさま 平和な世界 滲む虹色 辺境でパレード メーデーメーデー、遊びませんか? 完全無敗の絶対王者 晴天の星空 前人未到の花畑 ぼくらの作った王国の 皆の者、我々人類は平等である! ▼深野さま 迷い込む 私がヒロイン 生まれ変わったら美少女 些細な違和感は甘く見逃して 全てが思い描いたまま あなたが私に微笑んでくれるなんて 狭まる視界に気付かずに 今なら空も飛べちゃう筈さ 鋭利な拒絶 癪だけど、認めます 奇妙な合図が聞こえてくる 相互理解って面倒 あなたのせいで踏みとどまってしまいました 覚えていた後ろ姿 眠り姫を起こすのがいつだって王子様とは限らないんだよ ▼飴村さま 始まりを告げるレム睡眠 牡丹雪を食べる魔法 君を殺した夢を見た(貴方に殺されたいと夢見た) あの子の頬に唇をやわりと押し当てた ねぇ神様、禁忌を犯したいの 零れ落ちた愛の欠片をつまみ食い ノアの箱舟+世界の崩壊=絵空事逃走 パンドラの箱の中身を変えちゃおっか(そうだなあ、夢とか?) コバルトブルーの寝覚め Doze off. /重力無抵抗 小指の先から垂れる糸 人気者になれた夢 人魚姫の最期を書きかえたの お嫁さんになりたかった、 少女漫画的思考 くしゃくしゃに丸めた文字 見えてきた出口(置いていかないで) 嗄れた泣き声 開目した彼女は残酷な夢だと笑った 終わりを告げたノンレム睡眠 ▼糸村和奏さま 濃夢警報 蝶々の膝枕 花に埋もれた 最後の羊を頂戴 かぐや姫の鬼退治 モノクロの菜の花畑 こんなところにいたの ベランダを泳ぐマンボウ 此処でしか会えないのにね コンティニュ―ボタンは何処? ▼さきはさま あてどなくただよう とろけてしまうね しがみついて足掻いて きつくきつく抱きしめた あまやかな停滞を礼讚せよ ▼キョーカさま 一睡の夢に収まるレベルの野望 浮き沈み激しい地面を踏み締めて 絵本の読みすぎです 人造ドッペルゲンガー こんなわたしでもいいならさらっていいよ 誰だ、獏を連れてきたのは ディストピアからの脱出計画 無数のせかいへの道をつくったのは死んだ恋人 とびっきりの最悪の未来 目覚めたらまた夢だなんてことは、 ▼朔凪さま まどろみの世界にはあなたがいた 現に溺れる 泡沫の恋は未だ覚めず 夢の夢こそあはれなれ。 やさしい記憶 寝言は時として残酷である 叶わぬ願い ブレインロック現象ヲ打チ破レ 醒めない夢を望む このまま、死んでゆきたいよ。 ▼鯖猫さま 見覚えのある場所 知らないけれど、知っている 羽毛布団並みを期待 星をいくつも掴んだの あなたは優しかった 懐かしい顔ぶれ 幸せだけど寂しいね 次はいつ逢えるの? 実葛で結ぶ 食べようとしたら消えたの ▼藤野 混濁した意識でダイブして 目を閉じて見えた世界に、言葉が詰まった ここでだけは恋人でいましょう。 きみの笑顔はそれじゃないと知っている 境界線が濁った、視界が滲んだ そこから出ていくことが大人への第一歩だと聞きました 沈んでいく思いを引き上げる声 この世界の法律は僕さ(だから君を裁けないよ) 君の泣き顔がリアル 目が覚めるとゆめのなか ← |